01 | 東京の主要区の賃料相場特徴
東京の賃貸オフィス相場特徴とは?オフィス賃料の目安と削減方法についてもご紹介!
作成日:2024.5.9更新日:
オフィスを探そうと思ったら、最初に気になるのが「オフィスの賃料相場」ではないでしょうか。
特に東京の賃貸オフィス相場は、日本全国で最も入居者が集中しており、賃料も高めとなります。そして、オフィスが位置する区によって、賃料の相場に大きな差が生まれます。
この記事では、東京や大阪の賃料相場に加えて、オフィス賃料の適正価格や、オフィス賃料を抑える方法についてご紹介します。東京でオフィスをお探しの方は、これらの情報を新規のオフィス選びや、現在の賃料を評価する材料としてお役立てください。
東京の主要区の賃料相場特徴
日本全国を見渡しても、最も賃料が高い物件が集中しているエリア、東京。しかし、「東京」と一口に言っても、23の特別区と市町村からなる東京都では、地域によって賃料の相場が全く変わります。
ここでは、東京23区のうち、オフィスの入居先として人気が高い、「千代田区」「中央区」「港区」「新宿区」「渋谷区」という5つの主要区を取り上げ、オフィス賃料相場をご紹介します。
ご紹介する賃料相場は、賃貸オフィス・賃貸事務所の紹介サイト「賃貸オフィス.com」で、都内最大級の物件数から集計した賃料の目安となります。共益費を含む、オフィス賃料の平均的な坪単価を見ていきましょう。
千代田区の相場特徴
千代田区は日本の政治の中心地であり、大手企業のオフィスが集まるエリアです。
特に東京駅周辺の「大手町・丸の内エリア」は、日本一のビジネス街といっても過言ではありません。利便性やブランド力の高いエリアではありますが、賃料相場はほかのエリアよりもぐっと上がります。
大手町・丸の内エリアの賃料相場
その他、大きな駅がありアクセス良好の「有楽町・霞が関エリア」「秋葉原・神田エリア」、落ち着いた雰囲気の「番町・麹町・永田町エリア」なども千代田区に位置しています。比較的リーズナブルで利便性が高いエリアを狙うなら、飲食店が充実の「飯田橋・九段エリア」も人気があります。
飯田橋・九段エリアの賃料相場
中央区の相場特徴
千代田区と同様、東京駅にほど近い中央区のオフィス街は、主要企業や交通機関からのアクセスが便利。特に「日本橋・京橋・八重洲エリア」や「銀座エリア」は、大企業が多く入居する一方で、「大手町・丸の内エリア」よりも手頃な賃料でオフィスを構えることができます。
中央区の中でも、ウォーターフロントと呼ばれる「勝どき・晴海・月島エリア」は、高層マンションとオフィスビルが立ち並ぶビジネス街として発展しています。日本橋や銀座に比べると、東京駅からは少し遠のきますが、平均的な坪単価を1~2万円台まで抑えられるのがうれしいポイントです。
日本橋・京橋・八重洲エリアの賃料相場
港区の相場特徴
港区は高級住宅街や各国大使館が立ち並び、大規模な企業ビルが点在するエリアです。民法のキー局はすべて港区に集中し、広告会社やIT企業、外資系企業にも人気の高いエリアです。
新橋、品川、六本木など、知名度の高いビジネス街が多いのも、港区の特徴。その中でも、最も賃料が高いのは「青山・表参道・外苑前エリア」です。街並みが美しく、ファッショナブルで洗練された印象のエリアです。
青山・表参道・外苑前エリアの賃料相場
新宿区の相場特徴
新宿区の中でも、最も賑わうのは新宿駅周辺。1日の利用者数は約350万人で、世界一のターミナル駅としてギネスブックに登録されています。
東京都庁の位置する西新宿は、特にオフィスが密集するエリアです。超高層ビルがずらりと並び、都庁展望台から見渡す夜景でも知られています。
その他、緑豊かな御苑周辺、学生街としても知られる四谷や高田馬場など、多様な側面を持つ新宿区にオフィスを構えたいと思う方は多いことでしょう。
西新宿エリアの賃料相場
渋谷区の相場特徴
若者から高い人気を集める渋谷区。近年は、渋谷駅周辺の大規模な再開発により、IT企業やベンチャー企業に人気の高いオフィス街としての顔を持つようになりました。
渋谷以外にも恵比寿や代々木など、オフィスが集まる利便性の高い駅が多いのが渋谷区の特徴です。
道玄坂・南平台・神南エリアの賃料相場の賃料相場
宮益坂・神宮前エリアの賃料相場の賃料相場
大阪の賃料相場特徴
古くから「天下の台所」とも呼ばれる大阪は、日本第二の都市に位置付けられています。全国で知名度を持つ大企業が、大阪に本社を構えていることも少なくありません。
大阪で人気のオフィス街といえば、新大阪、堂島、中之島、淀屋橋、本町など。近年は特に、大型の複合再開発が相次いで行われた梅田が、大阪屈指のビジネスエリアとなっています。
大阪のオフィス賃料の相場は、同規模の東京の物件に比べると、格段に安くなります。立地や建物のグレードにもよりますが、大阪や横浜、福岡などの都市に視野を広げることで、オフィスの賃料を抑えられる場合があるでしょう。
オフィスの適正賃料はどれくらいが目安?
オフィスの賃料を検討するとなると、「そもそもどの程度の賃料が自分の会社にふさわしいのか?」というお悩みは、誰もが抱えるところではないでしょうか。
ここでは、オフィス選びの判断材料として、適正賃料の計算方法と、快適に働くために必要なオフィスの広さの目安をご紹介します。
適正賃料の計算方法とは?
オフィスの適正賃料は、一般的には「粗利の10%未満」といわれます。このラインを越していなければ、オフィスの賃料が規格外に高いということにはなりません。
ただし、オフィス選びは単なる所在地を決めるものではなく、企業戦略や人事施策にも大きくかかわってきます。企業の利益を最大化するために、個々の事業方針に応じた基準でオフィスを選ぶのが望ましいです。
また、オフィスの賃料には、初期費用や敷金、礼金などの諸費用や、水道光熱費などのランニングコストは含まれていません。最終的にどれだけの費用がかかるかを把握したうえで、経営判断として最良の物件を選ぶ必要があります。
オフィスに必要な広さの目安とは?
一般的に、従業員一人に対して、3坪程度のスペースが必要とされています。4坪以上のスペースがあると、ゆとりがあって広々とした印象のオフィスとなるでしょう。
社員全員が出社する会社なのか、あるいはリモートワークやフレックス制を導入しているのかで、どれだけの広さが必要になるかは変わってきます。また、最近は社員の座席を指定しない、フリーアドレス型のオフィスも増えています。
会議室や飲食用の共有スペースなど、設備の有無によっても必要な広さは異なります。企業の業態や経営方針に合わせて、オフィスの広さやスタイルを検討していきましょう。
オフィス賃料の削減を考える!
その方法とチェックするポイント
オフィス賃料は、毎月かかってくる固定費のひとつです。
むやみに固定費を削減して、従業員の働きやすさや満足度が低くなることは望ましくありません。しかし、不要な出費はできるだけ抑え、オフィス賃料を最適化できるに越したことはないでしょう。
ここでは、オフィス賃料を削減するために、現状把握としてチェックすべきポイントと、具体的な削減の手段についてご紹介します。
賃料削減の前にチェックするべきこと~現状の把握~
オフィスの賃料削減を目指す際、まず行うべきは現状の把握です。現在の条件を洗い出し、見直せる部分はないか確認しましょう。
現状のオフィスを見直すうえで、まず確認したいのが以下のような基本項目です。同じような条件の物件の賃料を調査し、周辺の相場よりも現在の賃料が高いようであれば、賃料を交渉できる可能性があります。
現状のオフィスを見直すうえでの、確認する項目
また、どれだけの社員が施設や設備を使っているか、使用状況の把握も必要です。これらを洗い出すと、「意外と使っていない」といったデッドスペースが見えてくることがあります。
そして、賃料を削減するためにオフィスを移転する可能性を考慮して、移転に関する契約内容も確認しておきたいところです。
その他、確認する項目
これらの情報を洗い出すと、現在のオフィスが企業の規模や事業方針に合っているかどうか、いろいろと見えてくることがあるでしょう。
全ての部屋は適切に活用されていますか? 無駄なスペースや稼働率の低い座席はないでしょうか。「立地は残したいけれど、物件の面積はもう少し狭くてもよい」のように、削減できる部分が見えてきたという方もいるでしょう。
一番重要なのは、一般的な相場からオフィス賃料を考えるだけでなく、企業の事業方針に合わせたオフィスを選ぶことです。オフィスで働く社員の人数だけでなく、社風やブランディングも考慮に入れ、適正な賃料で理想的なオフィスを選びたいところです。
また、オフィスを移転する場合は、一時的には移転費用や原状回復費用などがかかりますが、移転するまでは毎月同じ賃料を支払うことになります。中長期な視点で費用の削減を考え、移転の必要の有無や移転のタイミングなど、企業にとって最もよい方法を選ぶ必要があります。
オフィスの賃料削減に向けて有効な方法とは
オフィスの賃料を削減するための方法を3つご紹介します。
・周辺の相場をもとに賃料を交渉する
・オフィスを移転する
・レンタルオフィスを活用する
まず、先ほど洗い出した賃料や立地、築年数などの情報をもとに、周辺の同条件の物件の賃料を確認してみます。もし、同じような条件で自社よりも賃料が低かったり、同じような賃料で自社よりも条件がよかったりする物件があれば、賃料を交渉できるかもしれません。
貸主にとっては、オフィスの空室はできれば避けたいものです。そのため、信頼できる借主であれば、できるだけ長く入居してほしいと考えます。日頃からオーナーと信頼関係を築けていれば、常識の範囲内での賃料交渉に応じてくれる可能性は十分にあります。
また、立地や面積など、現状のオフィスを大きく見直す余地がある場合には、オフィスの移転も視野に入ります。特に、近年はリモートワークの増加により、オフィスの規模を縮小する企業が増えています。面積が狭くなる分、立地や築年数の面でグレードが高い物件が、リーズナブルな賃料で見つかるかもしれません。
さらに、レンタルオフィスを活用することで、賃料を抑えられる場合もあります。
レンタルオフィスとは、物件の賃貸借契約を直接交わすのではなく、レンタルオフィスの会社が借りている専有スペースを利用できるサービスのこと。専有スペースだけでなく、スペース内のデスクや椅子、Wi-Fiやコピー機、貸会議室、共用ラウンジなども含めて利用できるサービスが一般的です。
レンタルオフィスでは、家具やインフラなどの環境が整っており、初期費用が抑えられます。また、Wi-Fiや水道光熱費などのランニングコストもサービス料金に含まれているので、事業内容によっては、賃貸オフィスを借りるよりもオフィス周りの費用を削減できるでしょう。
オフィス賃料に関するまとめ
2020年以降、新型コロナウイルスの流行によって働き方が大きく見直され、オフィスの解約や縮小を選択する企業が増えました。「アフターコロナ」と呼ばれる現在も、オフィスの賃料は2020年以前と比較すると低い水準での推移を続けています。
適正な賃料でオフィスを選ぶためには、周辺の賃料相場を知る必要があります。入居を希望する地域の賃料相場を調査し、必要に応じてオーナーと賃料交渉を行いながら、最適なオフィスを見つけたいところです。
また、すでに賃貸オフィスに入居している場合も、定期的にオフィスの利用状況を点検し、移転やレンタルオフィスの活用も視野に入れてオフィスの賃料を見直すことをおすすめします。
オフィス賃料に関する
よくある質問
オフィスの賃料は、入居する階によって変わりますか?
住宅の場合は、高層階ほど家賃が高くなる傾向があります。オフィスの場合も、一般的に高層階のほうが賃料は高くなりやすいですが、一方で例外もあります。例えば、人の出入りが多い1~2階のほうが、店舗を構えるテナントの人気が高く、高層階よりも高くなることがあります。
オフィスの賃料の交渉はできますか?
物件によって、賃料の交渉が可能な場合があります。しかし、相場から大きく乖離する金額まで減額してもらうのは難しいものです。周辺の相場を調べ、交渉の材料を持参したうえで、オーナーに相談することをおすすめします。また、フリーレントといって、決められた期間は借り続けるという約束のもとに、一定期間の家賃を無料にしてくれる場合もあります。