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事務所を立ち上げるまでの流れ|開業に必要なものと費用を紹介

作成日:2024.5.7更新日:

新しい事務所を立ち上げ、事業を始めるには、いくつかの重要なステップが必要です。会社名の決定、事務所の場所の選定、公的機関への書類提出など、さまざまな手続きが伴います。

この記事では、事務所の立ち上げ方や開業に必要なものについて、わかりやすく解説します。この情報をぜひ参考にしましょう。

事務所を立ち上げるには?

事務所を立ち上げるのは、お客様にとって人生の大きな一歩です。この大切なスタートを切るために、大まかに7つの流れに沿って準備を進めます。それぞれの流れの注意点や重要事項を具体的に解説します。

3人のビジネスマン

1. 事業計画を立てる

事務所を設立するにあたり、事業計画書の作成は、法的に義務付けられていることではありません。しかし、事業計画を立てて、ビジネスプランや資金計画を策定することは、会社の方向性、ビジョンを明確にする上で、非常に重要です。 弁護士に相談することで、これらのプランニングの法的側面を確認し、より堅実な計画を立てることが可能です。

事業計画書には、どういった内容が必要でしょうか。具体的には、事業の将来目標や開業資金の調達方法・資金計画、会社のビジョン・理念・目的などが挙げられます。これらは事業の拡大のための重要な要素です。

事業計画を策定することで、事業の進行方向を明確にします。また、問題が発生した際でも、この事業計画があなたの事業の修正方向を示し、適切な方向へ導きます。ビジョンを明確化することで、未来の成長の道筋を確認し、不安を減らし、自信を持って事業を進行させることが可能です。

事業が成功し、更に発展させるためにも、まずは全ての事業の進行方向と目標を提示する具体的で詳細な事業計画作成の重要性を理解しましょう。そして、その事業計画作成を第一歩とし、新たな自身の事務所設立へと進みましょう。

2. 開業までに掛かる費用

事務所の開業に掛かる費用はどのくらい必要でしょうか。以下に個人事業主、法人で開業する場合の最低限必要となる費用の相場をご紹介します。

個人事業主の開業費用の相場

個人事業主として開業するための費用は0円です。個人事業主として開業する際に、どのような職場環境にするか、どのような職種・業種で事業を開始するかによりますが、法人のような設立費用は掛かりません。

税務署に開業届を提出することで個人事業主としての登録が行われ、事業を開始することができます。

法人の開業費用の相場

法人として会社を設立する場合の相場は、約25万円の費用が掛かります。以下が費用の内訳となります。

  • 認証手数料(定款の認証を受ける際の手数料): 5万円
  • 収入印紙代: 4万円
  • 謄本の発行手数料: 約2千円
  • 登録免許税: 約15万円
  • 3. 会社の形態を決める

    あなたが自分で事務所を立ち上げる予定なら、まずは会社の形態を決めることが重要です。これは、ビジネススタイル、税制上の優遇措置などにも大きく影響する選択です。会社を法人として起業せずに、個人事業主で登記する方法もあります。

    法人としての会社の形態の種類としては、「株式会社」、「合同会社」、「合名会社」、「合資会社」があり、その他の法人としては、「一般社団法人」「一般財団法人」「社会福祉法人」「NPO法人」などがあります。

    設立の手続きは個人事業主と法人とでは必要となる書類なども全く異なるため注意が必要です。個人事業主の場合は自分一人でも手続きは簡単に行えますが、法人の場合は複雑です。行政書士や司法書士に手続きを依頼する選択肢も考えておくとよいでしょう。

    法人か個人のどちらか?

    会社を起業する際、法人化するか個人事業主として運営するかが選択肢となります。この選択肢は、資金調達、法的責任、税金等の多くの事に関係します。

    法人は、資金調達や信用力の面で多くの利点があります。特に、投資家からの資金を集める際や、信用力を構築する際には有利です。一方、個人事業主やフリーランスとして活動する場合、設立費用が比較的低く、手続きがシンプルという点が魅力です。ただし、全ての責任は自身が負うこととなりますので、その負担は大きなリスクとなることもあります。

    どの道を選択するかは、ビジネスの目標、規模、将来の成長計画に大きく依存します。自身の事業に最も適したものを選ぶことが重要です。間違ったスタートは後にビジネスに悪影響を及ぼす可能性があるため、判断を下す際には慎重になることが肝心です。

    それぞれのメリット・デメリット

    法人、個人事業主としての運営は、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

    法人のメリットとデメリット 法人は、高い信用力や税制上の利点などのメリットを提供します。これは特に資金調達や大規模な事業運営において有利です。 しかし、その反面、設立には複雑な手続きが必要であり、時間と費用が掛かることがデメリットとして挙げられます。

    個人事業主のメリットとデメリット 一方、個人事業主として活動する場合、設立手続きの簡素さと初期費用の少なさが大きなメリットです。 これにより、迅速な事業立ち上げが可能となります。しかし、デメリットとして、事業に関連するリスクが個人に直接影響する点があります。 例えば、事業が失敗した場合、個人資産がリスクに晒される可能性があるということです。

    これらの点を踏まえ、自分の事業に最適な企業形態を選択することが重要です。 起業時の各選択肢のメリットとデメリットを理解し、総合的に考慮した上で決定を行うことが、事業成功のための重要なステップとなります。

    4. 会社名を決める

    会社を設立する際、会社名を決めることは事業開始の第一歩です。 魅力的で効果的な会社名を選ぶためには、以下のポイントを考慮することが重要です。

    • 覚えやすく、分かりやすい会社名
      顧客が容易に覚えられるシンプルでわかりやすい名前が理想的です。
    • ドメインの取得可能性
      オンラインでの存在感を確保するため、選んだ名前でドメインを取得できるか確認しましょう。
    • 事業内容が伝わる会社名
      会社名から事業の性質や業界が分かると、顧客に明確なメッセージを伝えられます。
    • 外国語での発音と意味の確認
      国際的な展開を考える場合、外国語での発音や意味に不適切な点がないか確認が必要です。
    • 類似の会社名や商品・サービスの確認
      既存の会社名や商標との混同を避けるため、似たような名前がないか確認しましょう。

    これらのポイントを踏まえた上で会社名を決定すると、事業の成功に向けて一歩進むことができます。会社名の選定は時間と労力を要するプロセスですが、それをする価値は十分にあります。重要なこのステップに、十分な時間と熟考を捧げることをお勧めします。

    5. 事務所の場所を決める

    新たに事務所を立ち上げるには、必然的に場所を決める必要があります。事務所の場所を決める際には、いくつかの要素を考慮する必要があります。これには、アクセスの良さ、周辺の環境、賃貸料金、事務所スペースの大きさなどが含まれます。

    また、事業の性質や目標に合った場所を選ぶことが大切です。例えば、顧客との面談が多いビジネスであれば、交通の便が良い場所を選ぶことが重要です。他にも、従業員の通勤の便利さや、必要な設備が備わっているかどうかも検討するポイントがあります。賃貸オフィス以外にも、自宅兼事務所で事業をはじめる方法もあります。

    自宅兼事務所か賃貸事務所のどちらか?

    事務所を開設する際、自宅を事務所として使うか、別途賃貸事務所を借りるかは、重要な選択です。この決定は賃料、通勤時間、プライバシーなどに影響を及ぼします。

    自宅を事務所として使用する場合、賃料がかからず、通勤時間がなくなり、生活と仕事のバランスが取りやすくなるというメリットがあります。しかし、仕事とプライベートの区別がつきにくくなる可能性もあります。一方で、賃貸事務所を選ぶと、プライバシーが確保され、よりプロフェッショナルなビジネス環境を整えることができますが、それにはコストが掛かります。

    最終的な選択は、あなたのビジネスの要件と予算を慎重に考慮して行うべきです。この決定は、あなたのビジネスの成功に大きく影響するため、慎重に検討することが重要です。

    自宅兼事務所にするメリット・デメリット

    自宅兼事務所にするメリット

  • コストがかからない
    賃貸で新しく事務所を借りて起業する場合、敷金・礼金・保証金などの初期費用がかかってくる上に月々の家賃も発生します。中でも保証金は、家賃の6~12ヶ月分が相場になりますので、かなり高額になります。 自宅兼事務所の場合、このコストに加えて、交通費、光熱費を抑えることができます。
  • 時間の節約
    自宅兼事務所の場合、通勤をする必要がない為、通勤時間の節約につながります。
  • 自宅兼事務所にするデメリット

  • プライベートと仕事の区別がつかない
    自宅が仕事場になるため、プライベートと仕事のメリハリがありません。
  • 信用性が低い
    自宅兼事務所の場合は、会社として信用性が低い傾向になります。
  • 賃貸事務所にするメリット・デメリット

    賃貸事務所にするメリット

  • 信用性が高い
    自宅兼事務所と違い賃貸事務所の場合は、信用性が高くなります。
  • プライベートと仕事が分別される
    自宅と仕事場が離れるため、プライベートと仕事のメリハリがうまれます。
  • 賃貸事務所にするデメリット

  • コストがかかる
  • さきほどお伝えしたように、初期費用はもちろんのこと、月々の家賃支払いがあります。

    その他の選択肢(シェアオフィスやコワーキングスペース等)

    事務所を設立する際や気持ちを新たにリニューアルしたい場合、自宅や賃貸事務所だけでなく、仲間と一緒に働き、新たなビジネスチャンスを見つけられるシェアオフィスやコワーキングスペースといった共有オフィスの利用も考えてみてください。

    これらは、賃貸事務所を借りるよりも、賃料を安く抑えることができ、自宅で作業するよりも、入居者と交流ができたり、会議スペースを利用できたりといったメリットがあります。

    自分のビジネスを新たな段階に進めるためにも、シェアオフィスやコワーキングスペースの利用を考えてみるのもいいかもしれません。

    6. 公的機関への提出書類

    新しい事務所を開設する際には、公的な手続きが必要です。税務署への申告に至るまで、多様な書類の準備と提出が伴います。業種に応じて必要となる書類は異なりますが、通常、設立届、定款、設立登記申請書などが求められます。

    これらの書類は、法的な事務所設立の過程で不可欠です。必要書類の詳細や手続き方法について十分に理解し、スムーズな設立を実現しましょう。

    個人事業主として起業するための提出書類

    個人事業主として起業するための提出書類

    事業をはじめる場合

  • 個人事業の開廃業届出書(開業届)
    まず初めに、個人事業主として開業するにあたり、「個人事業の開廃業届出書」を税務署に提出しなければなりません。提出期限は、事業開始日より1ヶ月です。
  • 事業開始等申告書
    自治体に対して、個人で事業を開始したことを証明するために「事業開始等申告書」を各都道府県税事務所に提出します。各都道府県によって提出期限に違いがあります。(東京都では事業の開始日から15日以内)
  • 青色申告で確定申告したい場合

  • 青色申告承認申請書
    確定申告を青色申告で行う場合、提出する書類となります。その年の3月15日までに「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」と一緒に税務署に必ず提出しなければなりません。 ただし、確定申告を行う年の1月16日よりあとに開業届を提出した場合には、開業届を提出した日から2ヶ月以内に提出しましょう。
  • 青色事業専従者給与を支払う場合

  • 青色事業専従者給与に関する届出書
    青色申告で確定申告をしている事業者が、配偶者や親族に対して支払った給与を経費として計上するために必要な書類です。
  • その他

  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
    給与を支払う事業者が給与支払いを取り扱う事務所を開設、移転又は廃止した場合に、提出する書類です。
  • 源泉所得の納期の特定の承認に関する申請書

  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
    源泉所得税の納期の承認を申請するための書類です。原則として、源泉所得税は徴収した翌月10日が納期限となっていますが、従業員の給与支給人員が常時10人未満の場合に申請をすることで、以下のように年2回にまとめて納付することができます。
  • 1月から6月までに源泉徴収した所得税: 7月10日までに納税
  • 7月から12月までに源泉徴収した所得税: 翌年1月20日までに納税
  • 法人として起業するための提出書類

    法人として起業するためには、以下のような提出する書類があります。

    主な提出書類

  • 登記申請書
    法務局に対して登記の申請をする際に提出する書類です。登記とは、ある一定の事項を公開された帳簿に記載し、広く社会に開示して円滑に取引を行うための制度のことです。
  • 定款
    会社の基本的なルールを決めたものを定款といいます。いわば会社にとって憲法のような意味を持ちます。
  • 登録免許税納付用台紙
    会社の名称や設立日、資本金の額などを記載する必要があり、同時に会社設立時の資本金額に応じた免許税を納付します
  • 発起人の決定書
    発起人の決定書とは、発起人(会社設立の際、資本金の出資、定款の作成など会社設立の手続きを行う人)となる者が検討し、合意した会社設立に関する基本事項を書面にまとめたものです。
  • 設立時取締役の就任承諾書
    取締役の就任承諾書とは、設立する会社の取締役として就任する者が、就任することを承諾したと証明するための書面です。
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
    代表取締役の就任承諾書とは、設立する会社の代表取締役として就任する者が、就任することを承諾したと証明するための書面です。
  • その他

  • 設立時取締役の印鑑証明書
  • 資本金の払込があったことを証する書面
  • 印鑑届出書
  • 「登記すべき事項」を記載した書面又は保存したCD-R
  • 7. その他に必要となる準備

    その他に事務所設立時に必要となる手続きとして、以下のものが考えられます。

  • 銀行口座の開設
  • 法人印鑑の作成
  • インターネット環境の整備
  • 自社ホームページ
  • 名刺
  • 電話
  • FAX回線
  • 銀行口座は事業の収支管理、法人印鑑は公式な契約や書類作成に必要で、インターネット環境は業務の効率化に不可欠です。これらは一つ一つが事務所運営で重要な役割を担っています。事務所を設立を成功させるためには、しっかりと準備を行うことが大切です。

    事務所開業のお祝いで渡すものは何がいいのか?

    事務所開業の準備を進めているあなたは、開業祝いのプレゼント選びに迷っていませんか。事務所開業のお祝いに贈る物は、ただ喜びを形にするだけでなく、新たなスタートを支える必要なアイテムです。以下で、事務所開業祝いで特に喜ばれる、新たな事業の成功を応援するギフトアイテムを具体的にご紹介します。これらの情報が新たなステップを進む助けになることでしょう。

  • 胡蝶蘭や観葉植物
    開店・開業祝いには、縁起物として、「お店が根付く」といった意味のある胡蝶蘭や観葉植物などを贈りするのが一般的です。 大きすぎるとかえって邪魔になってしまうこともあります。事務所の間取りを事前に確認しておきましょう。
  • お菓子やお茶
    職場の従業員がシェアできる点で、お菓子・お茶などもおすすめのプレゼントです。 要冷蔵のものをお送りする場合は、送り先に冷蔵庫があるかどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。
  • 日用品・雑貨
    実用的なものとして、プレゼントをしたい場合は、日用品・雑貨がおすすめです。 相手がすきなものを選べるように、カタログギフトをプレゼントしても良いでしょう。
  • 握手

    事務所の立ち上げに関する
    まとめ

    この記事では、新しい事務所の設立に必要なステップと、開業に掛かる費用や必要手続きを紹介しました。

    まず、事務所を開設する際の重要な最初のステップとして、ビジネスプランや資金計画の策定、事業計画の作成の必要性について説明しました。続いて、個人事業主と法人それぞれの開業費用の相場や、異なる企業形態のメリットとデメリットについて紹介しました。さらに、会社名や事務所の場所を決める際のアドバイスも提供しました。最後に、公的機関に提出が必要な書類に関する詳細情報を解説しました。

    これらは、事務所設立の過程で考慮すべき重要なポイントです。事務所設立は人生の中で大きな一歩であり、しっかりとした準備と長期的なビジョンを持って進めることが重要です。

    事務所の立ち上げに関する
    よくある質問

    クエスチョンマーク資本金はどのくらい必要でしょうか。

    アンサーマーク 現在は、1円以上の資本があれば、誰でも株式会社を設立することが可能です。2006年までは、株式会社では1,000万円以上、有限会社では300万円以上と資本金に必要な金額が決まっていました。

    クエスチョンマーク法人の会社設立にはどのくらい時間が掛かりますか。

    アンサーマーク最短で約10日前後掛かります。取引開始までは、1ヶ月以上見ておく必要があります。