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オフィス家具や不用品の処分方法|廃棄?売る?
疑問にお答えします

作成日:2024.5.9更新日:

今回は意外と知られていないオフィス家具の処分方法についてご説明いたします。オフィス移転に伴う既存家具の廃棄や、古くなった家具を手放して新調を検討している方の参考になれば幸いです。

では、皆様へまず質問です。オフィス家具はどのように捨てるのが正解でしょうか。

  • 一般ごみとして捨てようと思っていた
  • 粗大ごみで出せば問題ないでしょう

こんなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、オフィス家具は一般家庭ごみとは切り分けられており、基本的には「産業廃棄物」に該当します。

一般のごみの出し方についてもルールがあるのと同様に、産業廃棄物についても捨て方にルールがあります。ルールを守れない場合、法人の代表者や廃棄を担当した担当者に罰則が課せられることもありますので、廃棄ルールを順守していきましょう。

オフィス家具は基本的に「産業廃棄物」扱い

廃棄物はいくつかのカテゴリーに分かれております。捨てたいと思っているものがどの廃棄物のジャンルに該当するのかを理解していきましょう。

また、廃棄物のジャンルによっては、廃棄を依頼する清掃業者が国の認可を受けている必要があるケースがあります。ここでは、廃棄物のカテゴリーについてご説明しながら、オフィス家具がどの廃棄物に該当するのか、また処分を依頼する際に注意しなければいけないポイントについてご説明いたします。

「廃棄物」は、大きく分けて一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。詳細の分類については以下の通りになります。

〈一般廃棄物〉

  • 家庭用廃棄物…一般家庭の日常生活にともなって生じた廃棄物。
  • 事業系一般廃棄物…事業活動に伴って生じた廃棄物で産業廃棄物に該当しないもの。
  • 特別管理事業系一般廃棄物…爆発性、毒性、感染性その他人の健康または生活環境に係わる被害を生じるおそれのある性状を有するもの。
  • 〈産業廃棄物〉

  • 産業廃棄物…事業活動に伴って生じた廃棄物であって産業物処理法で規定された20種類の廃棄物。
  • 特別管理産業廃棄物…爆発性、毒性、感染性のある廃棄物。
  • 5つほどのカテゴリーの中で、オフィス家具は基本的に「産業廃棄物」扱いとなります。

    廃棄物回収業者

    木製家具の分類は「事業系一般廃棄物」

    オフィス家具は、基本的に産業廃棄物に分類されるとご紹介しましたが、実は例外もあります。

    木製のオフィス家具は、厳密には「事業系一般廃棄物」に分類されます。「事業系ごみ」や「事業ごみ」とも呼ばれます。

    しかし、事業系一般廃棄物だからといって、家庭から出た粗大ごみのように自治体に回収してもらうことはできません。金属製やプラスチック製の「産業廃棄物」、木製の「事業系一般廃棄物」のどちらの場合でも、オフィス家具を廃棄する場合は、基本的には専門の業者に依頼する必要があります。

    なお、リース業で排出される使用済みの木製家具などは、例外として「産業廃棄物」に分類されます。

    一部の家電は「家電リサイクル法」の対象

    事業所で使用していても、家庭用のエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象製品となります。

    家電リサイクル法とは、まだ使える資源の有効利用を推進するための法律です。家電4品目を処分する方法は、以下の4種類です。

    <家電リサイクルの方法>

  • 買い替え時にお店に引き取ってもらう
  • 購入したお店に引き取ってもらう
  • 指定引取場所に持ち込む
  • 業者に委託する
  • 自分で指定引取場所(配送業者の営業所など)に持ち込むと、収集や運搬にかかる費用を節約できるでしょう。

    なお、業務用の機器は家電リサイクル法の対象外なので、ほかの不用品と同様の処分方法で問題ありません。

    オフィス家具を処分するときの選択肢

    オフィス家具の処分についてはいくつかの選択肢があります。

    ここでは、一般的な廃棄のほかに、買取業者の利用やリサイクル、また他者への譲渡も含めてご説明いたします。いつまでに処分をしたいか、また処分にかけられる予算なども含めて、オフィス家具の処分方法について検討の一助になりますと幸いです。

    家具を運ぶ

    不用品処分・不用品回収の専門業者に依頼

    オフィス家具の廃棄については、必ず「産業廃棄物処理の専門業者」へ依頼するようにしましょう。

    産業廃棄物を取り扱うには、「産業廃棄物収集運搬業許可証」という、自治体の許可を得ている必要があります。その分、廃棄にかかる費用が割高になるため、状態のよい家具には「買取」や「リサイクル」といった手段を取るのが理想的です。

    また、廃棄業者が同時に買取のサービスを行っていることもあります。例えば、「オフィス内で値段が付くものは買取、値段が付かないものは廃棄など、一つの業者で柔軟な対応が可能」となります。処分したい家具の点数が多い場合は、こういった「廃棄・買取業者」を検討するとよいでしょう。

    買取業者・リサイクル業者へ依頼

    オフィス家具を手放す際は、買取業者に依頼することで経済的なメリットがあります。状態のよいオフィス家具を処分せずに買取に出せば、状態次第でそれなりの価値が付くこともあるのです。

    買取業者の選び方には注意が必要です。買取可能な品目やサービスの質、取引の透明性を比較検討しましょう。また、オフィス家具の費用相場を把握しておくことで、適正な価格での取引が期待できます。買取価格は家具のブランドやコンディション、市場での需要に大きく依存するため、事前のリサーチが重要です。

    なお、買取金額はつかなくても、不用品回収ということで無料で引き取ってもらえることがあります。その場合は、廃棄にかかる費用を節約できます。

    自分で売却先や譲渡先を探す

    買取業者を利用せず、自分で売却先や譲渡先を探すこともできます。

    例えば、地域のフリーマーケットや、WEB上のフリマサイト・オークションサイトで売却や譲渡を呼びかけることができます。買取業者で値段が付かなくても、インターネットを通じて全国の方にアプローチすることで、引き受けたいという方がいるかもしれません。「送料のみ購入者負担」などの条件で、無料で家具を譲渡することもできるでしょう。

    あるいは、ボランティア団体への寄付や、知人・社員への直接譲渡も選択肢となります。いずれにしても、廃棄費用を抑えることができる点がメリットです。

    一方で、自分で売却先や譲渡先を探すときに注意したいのが、取引におけるトラブルです。例えば、「商品がイメージと違った」「購入者と連絡が取れない」など、思わぬトラブルで取引が滞り、かえって手間がかかる可能性もゼロではありません。トラブルのリスクが少しでもある場合は、専門業者を利用するのが無難とも考えられます。

    居抜き退去で「造作譲渡」する

    居抜き退去とは、今ある家具や設備を残したまま、賃貸オフィスを退去することです。

    オーナーや管理会社の同意があれば、家具を残して居抜き退去し、次の入居者に使ってもらうことができます。場合によっては、譲渡料を受け取る(売却する)こともできるでしょう。

    オフィス退去に伴って家具を処分したい場合は、居抜きで退去できないかをオーナーや管理会社に相談してみましょう。

    オフィス家具の廃棄業者・買取業者の選び方

    ここでは、オフィス家具の廃棄業者・買取業者の選び方について説明します。

    適切な業者を選定することで、無用なトラブルを避け、安心して処分を任せられるでしょう。ご紹介するポイントを総合的に考慮し、信頼できる業者を選びましょう。

    ビジネスマンが電卓を持っている

    複数社から見積もりを取る

    廃棄業者・買取業者のどちらを選ぶときも、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

    1社だけの見積もりでは、廃棄費用や買取金額が妥当なのか、判断に苦しむことになるかもしれません。買取が可能な品目の数などにより、どれだけの費用が必要か、あるいは買取で利益が出るかは変わります。実績のある業者を2~3社選び、料金体系や見積金額について、話を聞いてみるとよいでしょう。

    正規の業者を選ぶ

    オフィス家具を廃棄するには、「産業廃棄物収集運搬業許可」や「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。また、中古品の買取業者は「古物商許可」を持っていなくてはいけません。

    このような資格を持たない非正規の業者に依頼すると、業者に依頼した側の責任も問われることがあるので注意が必要です。

    特に廃棄については、事業者の責任が法律で定められています。「排出事業者責任」といって、事業活動の中で生じた廃棄物は、事業者が責任をもって処分しなくてはいけないと決められているのです。

    ですから、一般家庭の方と事業者の方では、同じ無許可の業者を利用するにしても、それに伴う責任が変わります。

    事業者の方が無許可の業者に廃棄処分を依頼してしまうと、「委託基準違反」や「注意義務違反」により、懲役刑や罰金刑、廃棄物の撤去命令などが下されることも。ただ家具を処分したいだけなのに、こんなトラブルに巻き込まれてしまうのは、なんとしても避けるべきでしょう。

    無許可の業者には十分に注意し、正規の業者を選んで廃棄や買取を依頼しましょう。以下、廃棄と買取にそれぞれ必要な3種類の許可証を紹介します。

    産業廃棄物収集運搬業許可

    事業として産業廃棄物の処理を行う業者は、自治体の許可を得る必要があります。

    オフィス家具における産業廃棄物とは、金属やプラスチックでできたテーブル、ラック、ロッカー、キャビネットなど、多岐にわたります。ですから、オフィス家具の廃棄を生業とする業者は、産業廃棄物収集運搬業許可の取得が不可欠です。

    公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団が運営する、産業廃棄物処理業者の検索システム「さんぱいくん」では、地域ごとに許可業者を調べられます。さらに、都道府県・政令市において優良認定を受けている業者も確認できるので、信頼できる業者選びにお役立てください。

    一般廃棄物収集運搬業許可

    事業として一般廃棄物の処理を行う業者は、自治体の許可を得る必要があります。

    オフィスにおける一般廃棄物とは、すなわち「事業系一般廃棄物」です。木製の家具や、紙屑、書籍、段ボールなどがこれにあたります。

    ですから、金属製と木製の家具を一緒に廃棄したいなら、「産業廃棄物収集運搬業許可」と「一般廃棄物収集運搬業許可」を得ている業者にそれぞれ依頼しなくてはなりません。

    実は、一般廃棄物収集運搬業許可を得ている業者の数は、非常に少なくなっています。その背景には、産業廃棄物収集運搬業は要件を満たせば許可されるのに対して、一般廃棄物収集運搬業は自治体ごとの裁量許可となるためです。

    つまり、各市町村の廃棄物処理計画で、一般廃棄物収集運搬業者の数が制限されているのです。基本的には、新規に一般廃棄物収集運搬業の許可を得ることはできません。

    そのため、木製家具や書籍などの事業ごみを廃棄する際は、しっかりと一般廃棄物収集運搬業許可を得た業者に依頼するように注意してください。

    なお、上記の制限を「廃棄」する場合のみ生じます。木製家具などを「買取」する場合には、次にご紹介する「古物商許可」があれば問題ありません。

    古物商許可

    不用品回収業者や買取業者など、回収したものを中古品として販売する業者には、古物商許可が必要です。

    先ほどご紹介した通り、引き取ったものを廃棄するには、廃棄するための許可が必要になります。

    ですから、廃棄と買取を同時に行う業者であれば、「古物商許可」だけでなく「産業廃棄物収集運搬業許可」や「一般廃棄物収集運搬業許可」も必要になります。

    情報漏洩に注意する

    オフィス家具の廃棄や売却を検討する際、書類やデータから情報が漏洩しないよう、注意する必要があります。

    大事な情報を含むドキュメントを慎重に処分するとともに、PCなどの電子機器は、データが完全に消去され復旧不可能な状態にしなくてはいけません。

    さらに安心を求めるなら、情報漏洩防止を徹底する業者の選定が重要です。例えば、「機密書類は溶解処理する」「ハードディスクは物理的に破壊する」など、情報セキュリティ対策を講じている業者もあります。ご自身でしっかりと管理するか、信頼できる業者に依頼するなど、情報管理のことまで考えて業者を選ぶことをおすすめします。

    オフィス家具の処分にかかる費用を抑えるには

    オフィス家具の処分には、以下のような金額がかかります。

    <費用の内訳>

  • 車両代、運搬費
  • 人件費
  • 養生費
  • (廃棄の場合)廃棄費用
  • こういったさまざまな費用がかかるため、オフィス家具の処分にかかる金額は決して安くはありません。また、買取金額が安いと感じる場合は、このような費用がかかっていることが理由かもしれないのです。

    「〇トントラック積み放題」など、定額で廃棄できるようなプランもありますが、実際にそのプランで費用を抑えられるかは、処分する家具の内容や量、会社ごとの料金体系によって大きく変わります。内容によっては、予想以上に金額が膨れ上がることもあるので注意が必要です。

    オフィス家具の処分にかかる費用を抑えるには、できれば現地で家具を見てもらい、複数の業者から相見積もりを取りましょう。オンライン上での簡易見積もりだと、実際に引き取りにきたときに、正確な見積金額が変わってくることもあります。そのうえで、値段が付くものは買取、付かないものは廃棄など、会社ごとの見積内容を比較検討して処分の方法を決めてください。

    コストダウン

    費用相場を把握する

    費用を抑えて適正価格の業者を選ぶには、大体の相場をイメージしておくことも大切です。ここでは、廃棄費用と買取金額の相場をそれぞれご紹介します。

    廃棄費用の相場

    廃棄費用は、一般的に「基本料金」と「品目ごとの廃棄費用」で構成されています。

    基本料金とは、1回の依頼で必ずかかる金額です。トラックの運搬費や人件費など、細かい内訳で請求されることもあります。

    そして、品目ごとの廃棄費用は、廃棄する家具の種類や大きさによって変わります。以下、基本料金や品目ごとの廃棄費用の相場をご紹介します。

    <廃棄費用の相場>

  • 基本料金:15,000円~
  • 執務用デスク(1人用):2,000円~
  • 執務用チェア:1,000円~
  • 会議テーブル:3,000円~
  • ロッカー:2,000円~
  • 卓上モニター:1,000円~
  • 上記の費用はあくまで目安です。廃棄総額は、1万円程度~数十万円など、家具の点数やオフィスの規模によって変わります。

    また、PCやコピー機のデータ削除を依頼する場合は、別途費用がかかることもあります。品目ごとの金額だけでなく、基本料金や諸費用を加算した総額で業者を比較するようにしましょう。

    買取金額の相場

    傷や汚れ、パーツの破損・欠損、使用年数の長さ、人気のある家具かどうかなど、さまざまな条件で家具の買取金額は変わります。人気のブランドやデザイナーズ家具は高値で売れる可能性があります。

    あくまでも一例ではありますが、買取金額の相場をご紹介します。

    <買取金額の相場>

  • 執務用デスク(1人用):1,000円~
  • 執務用チェア:500円~
  • 会議テーブル:1,000円~
  • ロッカー:1,000円~
  • 卓上モニター:1,000円~
  • 一般に、廃棄にかかる費用よりは、買取金額のほうが低くなります。

    なお、処分したい家具の全てを買い取ってもらえるとは限らない点にご注意ください。廃棄と買取を並行して行う業者に依頼する場合は、買取金額から廃棄費用を差し引いた金額が手元に残ることになります。

    「家具を購入しない」という選択肢もある

    これからオフィス家具を導入する予定がある方は、必ずしも「購入すること」が最適解ではないかもしれません。

    近年、家具をレンタルやリース、またはサブスクリプションで利用できるサービスが注目されています。例えば、組織の流動性が高いスタートアップ企業や外資系企業など、人員の増減や事務所の移転が多い会社では、自前の家具を持たないほうが費用を抑えられる場合もあるのです。

    また、レンタルオフィスやシェアオフィスなど、家具やOA機器の一式が揃っており、月額制や従量制で利用できるタイプのオフィスもあります。こういったオフィスなら、新たに家具を購入することなく、必要なときだけデスクやコピー機、シュレッダーなどを利用できるでしょう。

    一度家具を購入すると、不要になった際の廃棄費用や、移転時の引っ越し費用が必ず発生します。長年使い続けるという保証がない場合や、近々の移転が見込まれるようなケースなら、レンタルやリース、シェアオフィスの利用など、あえて「家具を購入しない」という選択肢も考えてみてください。

    オフィス家具や不用品の処分に関するまとめ

    ここまで、オフィスの家具を処分したいとき、講じるべき手段をご紹介しました。

    オフィスの家具を処分するには「廃棄する」だけでなく、「買取業者に売る」「フリマサイトで売る」「居抜きで譲渡する」など、さまざまな選択肢があります。家庭ごみであれば、粗大ごみなどで安価に廃棄できるイメージがありますが、オフィスから出るごみは分類が違います。大きな家具などを廃棄するには、専門の業者を利用する必要があり、その分費用も高額になりやすいです。家具の状態がよければ、売却や譲渡によって、廃棄費用を抑えることをおすすめします。

    また、廃棄・買取業者を選ぶ際は、いくつか気を付けるべきポイントがあります。例えば、廃棄には「産業廃棄物収集運搬業許可」や「一般廃棄物収集運搬業許可」、買取には「古物商許可」が必要になります。正式に許可を得た、正規の業者を選定してください。

    オフィス家具や不用品の処分に関する
    よくある質問

    クエスチョンマークオフィス家具を出張買取してもらう場合、運搬費などの費用は発生しますか?

    アンサーマーク業者の料金体系によって変わります。多くの場合、買取金額から作業費(運搬費・人件費など)を相殺し、残りの金額が支払われます。買取金額を作業費が上回る場合は、売り手側がその費用を支払う必要が生じることもあります。

    クエスチョンマーク自治体で事業ごみを収集してもらうことはできますか?

    アンサーマーク自治体によって、事業ごみの取り扱いは異なります。少量の事業ごみであれば、自治体が収集する場合もあります。一方で、自治体による収集がなく、民間の廃棄業者に頼まなくてはいけないケースもあるのです。また、自治体による事業ごみの収集は、主に可燃ごみや、資源、金属・陶器・ガラスごみなどが対象です。大型の家具を処分するときは、本記事でご紹介したような業者を利用する必要が生じます。