01 | ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは?オフィス出社とテレワークのメリット・デメリット
作成日:2024.5.9更新日:
2020年以降、在宅で仕事をする「リモートワーク」の仕組みを導入する企業は増加しました。
この「リモートワーク」と、従来通りの「オフィスへの出社」を併用する働き方が「ハイブリッドワーク」です。曜日や日によって、自宅で働くかオフィスで働くか、柔軟に仕事の環境を選ぶことができます。
このコラムでは、ハイブリッドワークのメリットや問題点、成功する運用のポイントなどをご紹介します。また、実際にハイブリッドワークを導入している先進的な企業の事例についても解説していきます。
コラムの目次
02 | ハイブリッドワークスタイル
導入の背景
03 | ハイブリッドワークのメリット
04 | ハイブリッドワークの問題点
05 | ハイブリッドワークを
成功させるには
06 | ハイブリッドワークスタイルの
成功事例
07 | ハイブリッドワークに
関するまとめ
08 | ハイブリッドワークに
関するよくある質問
ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは、オフィスへの出勤と自宅でのテレワークを組み合わせた、柔軟性の高い働き方です。
「リモートワークだけだと連携が難しい」「毎日オフィスに出勤するのは負担が大きい」「必要がないときは自宅のほうが効率がよい」など、業務内容や生活スタイル、居住地とオフィスの距離などによって、さまざまなニーズが存在します。それらのニーズに柔軟に応える働き方として、このハイブリッドワークの需要が高まっています。
ちなみに、ここでいう「テレワーク」や「リモートワーク」は同じ意味で、オフィスから離れて仕事をすることを指します。英語で「tele」は「遠方の」という意味の接頭語、「remote」は「遠隔の」という意味。これらの単語を「work(仕事)」と組み合わせて、「telework」や「remotework」という言葉が生まれました。
オフィス出社日とテレワークの組み合わせ
ハイブリッドワークスタイルと一口に言っても、その取り入れ方は企業によって異なります。
会社やチーム側が、必ず出社する曜日や日にちを指定し、それ以外は個々人の判断に委ねるという場合も多いです。例えば、曜日を決めて「月・水・金はリモートワーク」「火・木はオフィスへの出社」のように、交互に出勤とリモートワークを組み合わせることができます。
あるいは、完全に社員の判断に任せ、必要なときだけ月に1~2回出社する、午前は自宅で午後はオフィスに出勤する、といった自由な働き方を導入することもできるでしょう。業務内容や企業体質に応じて、上手にオフィス出勤とテレワークを組み合わせてみてください。
ハイブリッドワークスタイル導入の背景
ハイブリッドワークスタイルは、今に始まったことではありません。昔からあった働き方ではありますが、新型コロナウイルの流行を機に、一気に普及しました。
近年、20代などの若いビジネスパーソンの間で、さらにハイブリッドワークの需要が高まっています。この章では、ハイブリッドワークの歴史や日本での浸透率についてご紹介します。
アフターコロナで
ハイブリッドワークが加速
「ハイブリッドワーク」という言葉を頻繁に耳にするようになったのは、2020年に起きた新型コロナウイルスのパンデミック以降、働き方改革が叫ばれるようになってからです。感染防止の対策としてリモートワークを採用した企業が、アフターコロナの働き方として「ハイブリッドワーク」に移行するケースが増えています。
まず、リモートワークの歴史の始まりは、1970年代のアメリカだったといわれています。当時、自動車交通量の増加に伴う大気汚染が問題となっていたことや、石油危機でガソリンが希少になっていたことから、一部の企業で自宅から仕事をする「テレワーク」が始まりました。
日本でも1980年代以降、一部のIT企業ではサテライトオフィスの導入など、働き方を多様化する動きが始まりました。2006年、安倍首相政権が「2010年度までにテレワーク人口を倍増する」ことを掲げましたが、なかなか従来の企業の体質は変わりませんでした。
契機となったのは2020年のパンデミックで、緊急事態宣言が出る前の1~3月の段階で、多くの企業がリモートワークにシフトしました。2023年5月に5類感染症に移行するまでの数年で、働き方は大きく変わり、リモートワークやハイブリッドワークを活用する企業の数は大幅に増加することとなりました。
総務省が提唱するテレワークのメリット
総務省は、新型コロナウイルスが流行する以前の2006年から、テレワークを普及させるための施策を行ってきました。セミナーやイベントを通じて、ハイブリッドな働き方を提案してきたのです。
では、政府がテレワークの普及・定着に向けた取り組みを進めるようになったのには、どのような理由があるのでしょうか。以下は、政府が提唱するテレワークのメリットです。
- ・女性、高齢者、障がい者の就業機会を拡大することで、労働人口減少をカバーする
- ・UJIターンや二地域居住、企業活動を通じた地域活性化
- ・交通代替によるCO2の削減
- ・過密交通の緩和 など
<社会にとってのメリット>
- ・柔軟な働き方の実現により、有能・多様な人材の確保と離職防止が可能に
- ・顧客訪問回数や顧客滞在時間の増加
- ・スペースや紙などのオフィスコストの削減
- ・通勤・移動時間や交通費の削減
- ・オフィスの分散化による災害時の迅速な対応 など
<企業にとってのメリット>
- ・多様で柔軟な働き方の実現(WLB)
- ・家族が安心して子どもを育てられる環境の実現
- ・家族と過ごす時間、自己啓発などの時間増加
- ・仕事と育児、介護、治療の両立 など
<労働者にとってのメリット>
このように、さまざまなメリットが期待されるテレワーク。テレワークそのものや、オフィスへの出社と組み合わせたハイブリッドワークの働き方は、今後ますます拡大していくことが予想されています。
ハイブリッドワークの浸透率
国土交通省が行った調査によると、企業に雇用されて働く就業者のうち、勤務先に「テレワーク制度等が導入されている」と回答した方の割合は37.6%。全国の約4割の会社で、なんらかのテレワークの仕組みが活用されています。
さらに、週5日以上の「フルリモート」で働く人の割合は、リモートワーカーの2割程度。リモートワークを取り入れている方の8割程度が、週に1回はオフィスに出社する「ハイブリッドワーク」を行っていることがわかります。
(※)参考:国土交通省「令和4年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-」
・企業の約4割はリモートワークの制度を設けています。
・リモートワークで働く方の約8割は、週に1回以上出社する「ハイブリッドワーク」を行っています。
ハイブリッドワークの需要
では、現代のビジネスパーソンの働き方に対する意識はどのように変化しているのでしょうか?
フレキシブルオフィスを展開するWeWork Japanが実施した調査によると、回答者の5割以上が、オフィス出社とテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」をしたいと考えているといいます。
特に20代の回答者は、70%以上がハイブリッドワークを希望しています。若い世代になるほど、ハイブリッドワークスタイルの働き方に魅力を感じているようです。
ハイブリッドワークの
メリット
近年はハイブリッドワークが普及したとはいえ、まだ導入をためらっているという社長や経営陣、総務担当の方もいらっしゃることでしょう。ここでは、ハイブリッドワークによって得られるメリットをご紹介します。
優秀な人材の確保
第一に、ハイブリッドワークという柔軟な働き方は、採用ブランディングや離職率の低下につながります。
先ほどご紹介したように、20代の7割以上が「ハイブリッドワークで働きたい」と回答するほど、働き方への意識は変革しています。リモートワークやハイブリッドワークができるか否かは、求職者の方が重視するポイントでもあります。
優秀な人材の採用や、離職率の低下につなげるために、ハイブリッドワークは重要な人事施策の一つとなるでしょう。
多様な人材の確保
ハイブリッドワークモデルを取り入れることにより、オフィス出社がネックになっていた方の雇用機会創造につながります。
例えば、育児や介護などで長時間家を空けることができないご家庭や、地方在住の方、身体に障がいがある方など、毎日オフィスに出勤しにくいことが理由で就業機会を得られない方もいらっしゃいます。そのような方々に向けて、フルリモートベースで、必要なときだけ出社する仕組みのハイブリッドワーク制度を設けることで、雇用の幅を広げることができます。
あるいは、「自宅のほうが集中できる」「会社への通勤時間を節約して客先を回りたい」など、働く人はそれぞれにさまざまなニーズを持っています。そのような方々の多様なニーズに応え、働きやすい環境を整えるためにも、ハイブリッドワークは有効な手段となるでしょう。
従業員の生産性向上
ハイブリッドワークをうまく取り入れることで、生産性を向上させる効果が期待できます。
例えば、営業職の方なら、一度オフィスに顔を出すよりも、午前中の内勤作業は自宅で行い、午後に直行で客先を回ったほうが時間短縮になるかもしれません。長時間の通勤がなくなることで、始業前に疲れることなく業務を始められることもあるでしょう。
あるいは「一人で集中して進めたい業務が中心の日は在宅」「チームで連携して進めるべき業務の日は出社」「たまに対面イベントを実施して社内のつながりを深める」など、場面に応じて出社と在宅を使い分けることで、メリハリのある働き方を実現することができるのではないでしょうか。
生産性を高める「ABW」とは
近年、注目を集めているのは「ABW(Activity Based Working)」という考え方です。
ABWの定義とは、業務内容に応じて、仕事をする場所や時間を自由に選べる働き方のことです。「いつでも、どこでも、誰とでも働くことができる」働き方として、オランダのワークスタイル変革コンサルティング企業であるVeldhoen+Companyが提唱しています。
働く場所を選べる「ハイブリッドワーク」は、ABWとイコールではありませんが、非常に親和性の高い考え方です。社員が裁量を持って、自分が働く場所を決めるという点においては、類似していると考えてよいでしょう。
Veldhoen + Companyと提携するイトーキによると、自己裁量の度合いが広いワーカーは、そうでないワーカーに比べて生産性は約2倍、エンゲージメントの高さには約1.5倍の違いがあったといいます。働き方の自由度を高め、社員の裁量の幅を広げることで、生産性の向上や優秀な人材の獲得・確保にもつながると考えられています。
ワークライフバランス
ハイブリッドワークで、オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせることで、ワークライフバランスの向上にもつながります。
必要のないときに通勤しなくてよいという自由度は、家族と過ごせる時間の増加をもたらします。今まで、お子さんの送り迎えなどで大忙しだったお父さん・お母さんが、自宅で仕事をすることで時間にゆとりを持てるようになるかもしれません。あるいは、満員電車での通勤といったストレスが緩和されることにより、社員のメンタルヘルスの向上も期待できるでしょう。
従業員のワークライフバランスに対する満足度が上がることで、社員満足度・帰属意識・生産性の向上など、さまざまな効果が期待されます。社員の生活や家族との暮らしを大切に考えることで、企業に対しても大きなメリットが返ってくることでしょう。
オフィススペースの有効活用
ハイブリッドワークで、リモートワークを併用することで、オフィスに必要なスペースを減らすことができます。
全員出社の会社では、従業員数分のデスクと椅子を用意する必要があり、その分オフィスの広さも広くならざるを得ません。しかし、必要なときだけ出社するハイブリッドワークを採用することで、執務室の席数を減らすことができます。
フリーアドレス式のデスクを設け、好きな場所に座れる仕組みにするのもよいでしょう。その場合、空いたスペースをセミナールームや休憩スペースなど、違った用途で有効活用することもできます。
ハイブリッドワークは、ただ単に「通勤の頻度を減らす」ものではありません。必要なときには出社し、必要がないときは在宅で作業することで、体力、時間、オフィススペースといった貴重なリソースを効率的に使い、会社の資源を最大化するための一つの手段です。
オフィススペースの効率化は、大きなコスト削減につながります。会社の資源を有効活用するためにも、ハイブリッドワークを検討してみてはいかがでしょうか。
ハイブリッドワークの
問題点
メリットが多いように見えるハイブリッドワークですが、実はいくつかの課題もあります。
上手にハイブリッドワークの仕組みを取り入れるために、起こり得る「デメリット」も事前知識として押さえておきましょう。
コミュニケーション不足からくる課題
リモートワークやハイブリッドワークの大きな課題となるのが「コミュニケーション不足」です。
チャットやオンライン会議で連携を取ることはできますが、どうしても「隣の席に相手がいる」状態と比べると、すぐに返答が返ってこないかもしれません。会話の内容も業務連絡のようになりやすく、ちょっとした雑談の機会が少なくなるため、社員同士のつながりが生まれにくくなる可能性があります。
仕事の面では、特にチーム連携が求められ、情報共有や質問を交わしながら進めるような業務では、オフラインで同じ場所に集まっているほうが作業しやすいこともあるでしょう。チームの状況を一目で把握しにくいと、管理者にとってはフラストレーションの種となります。
また、気持ちの面でも、同僚との会話や共同作業が「隠れたモチベーション」になっていることが少なくありません。自宅で作業するようになることで、オン・オフを切り替えて仕事に集中し、チーム一丸となって目標に向けて努力することを難しく感じるケースもあるでしょう。
この点においては、フルリモートと比較して、課題を解決しやすいのが「ハイブリッドワーク」の働き方です。
ハイブリッドワークは、出勤とリモートワークを併用する働き方。業務内容やチームの方針に応じて、必ず出社すべき日を定め、「週に2回は対面で仕事をする」などの工夫をするとよいでしょう。あるいは、月に1回は総会とイベントを行うなど、対面で集まれる機会を作るのも喜ばれます。
ただし、出社日がメンバーの大きなネックになるようでは、その効果も半減してしまいます。「通勤ラッシュを避けるために午前中は自宅、午後は出社しての作業を認める」など、柔軟な働き方だからこそのメリットを活かすとよいでしょう。
勤怠管理・健康管理の困難さ
従業員にとっては、働きやすさを感じることの多いハイブリッドワークやリモートワークの働き方。しかし、経営者や管理職の中には、自宅での作業を喜ばない方がいます。
その大きな理由が、メンバーの勤怠管理の難しさです。働く様子が目に見えづらくなるため、「今日は、誰がどこで働いているのか?」「どんな作業にどれだけの時間がかかっているか?」といった管理がしにくくなるのです。
勤怠管理システムの導入や、日報の提出、進捗共有会の実施など、社員の状況をこまめに観察する工夫が必要です。また、メンタルヘルスを含む社員の健康状態を把握するためにも、定期的に1on1の面談を実施するなど、完全出社の場合よりも意識的に社員管理の方策を立てなくてはなりません。
セキュリティ面の懸念
企業が持つ機密情報の流出リスクには、十分な対策を講じなくてはいけません。
従来はオフィス内に重要な情報が詰まっており、オフィスのセキュリティ管理をすれば十分でした。しかし、自宅で仕事をするためにノートPCや資料を持ち帰る場合は、そこからの情報流出についての懸念が生まれます。
業種や職種によっては、自社だけでなく顧客の機密情報を取り扱う可能性もあるでしょう。それらの情報が入ったPCや紙の資料を、社員が「電車の網棚に置き忘れた」「酔っ払って紛失した」「家族や友人に軽率に見せた」といったような事態が生じると、企業の信頼を大きく損ねるようなトラブルに発展しかねません。
また、インターネットを通じた情報セキュリティのリスクもあります。不正アクセスやマルウェア(ウイルス)によって、悪意を持つ第三者が会社の重要な情報を盗み出そうとしている可能性もゼロではないのです。
紛失などの「ヒューマンエラー」、ウイルスなどの「サイバー攻撃」、情報漏洩などの「内部不正」といったさまざまなセキュリティリスクに対策を講じる必要があるでしょう。
従業員のエンゲージメントの低下
エンゲージメントとは、会社で働く社員の心理状態を指す言葉で、仕事へのやる気や会社への愛着が高いことは「エンゲージメントが高い」と呼ばれます。
エンゲージメントの高さは、離職率の低下やパフォーマンスの向上、会社全体の雰囲気やコミュニケーションの活性化にもつながる要素です。
リモートワークで働きやすくなり、会社への満足度が高まることで、かえって仕事へのやる気が増えることも考えられます。一方で、自宅での作業時間の増加により、組織・チームの一体感が損なわれ、結果としてエンゲージメントが下がることもあり得るでしょう。
社員に定期的にヒアリングを行い、職場や仕事への満足度、改善要望などを聞き取るようにしましょう。また、出社率を上げるための「ランチ会」「コーヒーブレイク」の実施や、レクリエーションイベントの開催、社内報の活用など、会社としてのつながりを感じられるような催しを積極的に設けるのもおすすめです。
ハイブリッドワークを
成功させるには
ハイブリッドワークを成功させるためには、ただ導入するだけでなく、適切な準備、計画的な運用、そして継続的な評価が必要です。
ここでは、ハイブリッドワークの導入と運用を成功させ、新しい働き方を企業文化として根付かせていくために知っておきたいポイントをご紹介します。
運用ルールをしっかりと決める
ハイブリッドワークの成功には運用ルールの明確化が欠かせません。
円滑に運用するためには、最低限のルールが必要です。ハイブリッドワークを検討する際は、以下のようなポイントでルールを考えてみてください。
- オンラインのタイムシートを導入するなど、リモート環境でも勤怠を管理できるような仕組みを作りましょう。
<勤怠管理の仕組み>
- 報告・連絡・相談をスムーズに行うために、「日報の提出」「タスクごとの完了報告」などをルール化しましょう。
- スプレッドシートなどで「タスク管理表」や「WBS」を作成し、定期的に進捗確認会を開くのもよいでしょう。
<進捗報告の仕組み>
(※)WBSとは:作業を分解して構造化すること。やるべきことを細かく洗い出すことで、スケジュール管理がしやすくなります。
- 出社日は個人の判断に任せるか、あるいはチームごとに「最低限出社する日」を決めてもよいでしょう。
- 出社率を管理するために、キーカードを用いて入退室の履歴を管理してもよいでしょう。
<出社ルール>
ルールは「多ければ多いほどよい」というものではありません。さまざまな立場の社員ができるだけ快適に働けるように、効率的なルールを定めてください。
ICTツールを活用する
ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術を意味します。ICTツールとは、情報通信技術を活用したシステム・アプリケーションやデバイスのことで、在宅ワークには欠かせない仕組みです。
具体的には、メールやチャットなどのコミュニケーションツールに始まり、Web会議システムや、勤怠管理システム、ファイル共有サービスなどがICTツールに当たります。
そのほか、フリーアドレスでも誰がどこにいるか把握できる「在席管理システム」を導入してもよいでしょう。費用対効果を考慮して、自社に必要なツールを導入してください。
以下、代表的なICTソリューションを用途ごとにご紹介します。
- ・Slack
- ・Chatwork
- ・Teams
<コミュニケーション>
- ・Zoom
- ・Google Meet
- ・Teams
<Web会議>
- ・Dropbox
- ・Google Drive
- ・Box
<ファイル共有>
上記のような「コミュニケーション用のチャット」「オンラインミーティング用のWeb会議システム」「ファイル共有のクラウドサーバー」などは、多くの業種で必要になるツールです。
サービスによって、費用や容量、通信速度や細かい機能などが異なります。各サービスの仕様を比較し、自社の事業規模や業務内容に適したICTツールを選んでください。
オフィス環境を整備する
今まで「完全出社」で、従業員全員が出勤していた会社がハイブリッドワークに移行する場合、オフィス環境にも変更が必要です。
全員分のデスクを残す必要がなければ、フリーアドレスで好きな席に座れる仕組みを採用してもよいでしょう。また、リモートワーカーとのオンライン会議や通話に備えて、フォンブースや会議スペースがあると便利です。
イベントなどで会社に集まる機会に備えて、セミナールームや休憩ラウンジを整えるのもおすすめです。変わりゆく働き方に合わせて、柔軟にオフィス環境も整えていきましょう。
セキュリティ強化のための対策
総務省が提唱するセキュリティガイドライン(※)によると、情報セキュリティを守るためには、「ルール」「人」「技術」のバランスがとれた対策が必要だといわれています。
- 従業員が守るべきルールを策定し、周知する。
<ルール>
- 各人が情報リテラシーを高め、ルールを順守する。
<人>
- 情報セキュリティを守るための技術的な対策を講じる。
<技術>
これらのどれか一つでも欠けると、企業の情報資産が危険にさらされる可能性が高まります。「ルール」「人」「技術」という3つの観点から、それぞれに講じるべき対策をご紹介します。
ルール
必要な対策の一つが、「ID・パスワードの管理の徹底」「公衆Wi-Fiを利用しない」といった情報セキュリティを守るためのルールを策定し、会社全体で遵守することです。
代表的なルールには、以下のようなものがあります。
- PCやスマートフォン端末を適切に管理する
- カフェなどの第三者がいる場所で作業しない
- 信頼のおけるネットワーク回線を用いる
- アプリケーションをインストールする際は管理者に申請する
- 不審なメールのリンクや添付ファイルをクリックしない
- パスワードポリシー(長いパスフレーズの利用、使いまわしの禁止など)を定める
<勤務者が守るべきルール>
特に、思いがけず発生するのが紛失などの「ヒューマンエラー」による情報漏洩です。ヒューマンエラーを防止するために、以下のようなルールが必要になることもあります。
- 飲酒を伴う場合はPCなどの端末を持参しない
- パスワードなしで閲覧できる紙資料は持ち歩かない
- 外出先ではセキュリティケーブルでPCを固定する
- 万が一、紛失や盗難が起きた際の緊急連絡先を決めておく
<ヒューマンエラーのリスクを下げるためのルール>
人
ルールを決めたところで、それを全社で守っていかなくては、情報を守るための効果は期待できません。しっかりとルールを順守するため、従業員のリテラシー向上も重要となります。
そのためには、定期的な周知や研修などで意識を高める必要があります。研修の受講、理解度をチェックするテストの実施、メールでの注意喚起など、繰り返し従業員のセキュリティ意識を高めるための対策を講じてください。
経営者ではない従業員は、「どれだけの情報資産を管理する責任が自分にあるか」を十分に理解していないことも少なくありません。
過去のインシデントの事例や、他社で起こった情報漏洩事件とその被害など、どのような事態に発展するかを十分に知っておくことも大切です。
また、企業によっては、情報漏洩に対する罰則を就業規則の中で定めている場合もあります。過失による情報漏洩の場合、減給、降格、配転などの懲戒処分となる可能性は十分にあり得ます。
自社が取り扱う情報の機密性やセキュリティインシデントが起きた場合の会社への影響を鑑み、必要に応じて懲戒規定を定めておくことも、情報漏洩のリスクを下げるための一つの方策となるでしょう。
技術
また、技術面でもVPN接続の利用や、セキュリティソフトの導入など、情報を守るための施策が必要になります。以下、情報セキュリティを守るための技術的な対策をご紹介します。
- 貸与するテレワーク端末は必要最小限の権限を付与する。
- フィルタリング機能やフィッシング対策機能により、従業員がマルウェアの含まれたファイルを開いたり、危険なサイトにアクセスしたりしないようにする。
- ID・パスワードだけでなく、ショートメッセージでのコード送信や生体認証など、多要素認証を利用する。
- テレワーク端末のファイアウォール(パーソナルファイアウォール)を有効にする。
- PC紛失・盗難時に備えて、遠隔でロックやデータ削除ができるようにする。
<技術的対策>
このように、「ルール」「人」「技術」の3つの側面から情報セキュリティにアプローチすることが、トラブルなくハイブリッドワークを運用するためには非常に重要です。
定期的なイベントを実施する
ハイブリッドワークのネックは、対面で従業員同士が集まり、ネットワーキングを行う機会が失われてしまうことです。
定期的な出社を促すとともに、できる対策は「定期的なイベントの実施」です。
コロナ禍以降、社員同士の飲み会やイベントの機会は少なくなり、物足りなさを感じている方も少なくありません。ハイブリッドワークを導入するなら、より一層、対面で盛り上がる機会は減ってしまいます。
四半期に一度、あるいは月に一度などのタイミングで、社員が集まるイベントを開いてみてはいかがでしょうか。キックオフや全社総会など、業務上必要な集まりと同日に行うことで、社員が集まりやすい機会を作ることができます。
単なる飲み会でも構いませんし、ゲーム要素やレクリエーションを取り入れた懇親会も、同僚の新たな一面を見ることができるでしょう。ダーツやボウリングなどの軽いスポーツや、ボードゲーム大会、BBQやクルージングなど、思い出に残るようなイベントを企画してみてください。
適切な評価制度を整備する
ハイブリッドワークの場合、勤怠管理や進捗管理が難しくなります。その結果として、管理者が「適切に社員の成果を評価できているか」という点も見えにくくなります。
適切な評価制度がないと、社員のモチベーションやエンゲージメントの低下につながりかねません。「成果を上げたら評価してもらえる」という環境を作るために、社員の仕事の成果を把握するための仕組みを作らなくてはいけません。
納得感のある評価を行うためには、しっかりと評価項目を明確化し、従業員にも伝えておく必要があるでしょう。代表的な評価方法に、「成果評価」と「プロセス評価」があります。
成果評価とは、KPIに対してどれだけの成果を上げたかを計る、定量的な評価です。KPIの達成度に応じて、報酬を与えるインセンティブ制度を設けてもよいでしょう。
プロセス評価とは、成果を上げるための取り組みの中で、どのような能力を発揮しているかという定性的な評価です。自社における「あるべき人材の姿」(コンピテンシー)を具体化し、「リーダシップ」「課題解決力」「企画提案力」など、各項目でどれだけの能力を発揮しているかを評価します。
こういった評価項目をわかりやすく示すことで、社員も目指す方向を理解でき、よりよい人材となるべく努力することができます。また、「成果重視」「プロセス重視」に偏らず、企業の目指す方向に合わせて、従業員の働きをバランスよく評価する仕組みを整えたいものです。
リモート環境での評価体制
リモート環境下では、いつも社員の働きぶりを目にしているわけではありません。そんな中で、適切な評価を行うには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
代表的な方法として、定期的に評価者と社員が面談を行うという方法が挙げられます。
評価面談の際だけでなく、毎月、隔週、毎週などの高頻度で1on1ミーティングを行い、社員の仕事の様子をモニタリングしましょう。進捗や成果、取り組み方などを見ていくことで、実態と乖離しない人事評価を行うことができるでしょう。
また、目標管理制度(MBO)を利用するのもよいでしょう。評価期間の初めに立てた目標に対して、期間を通じてどのように取り組んでいるかを見ることで、目標達成のプロセスを公平に評価することができるでしょう。
社員にヒアリングを行う
会社での働き方に対して、社員がどのような感想を抱いており、どのような悩みを抱えているのかを明らかにする必要があります。
そのためには、定期的にアンケートやヒアリングを行うとよいでしょう。単に「リモートワークがよいか」「オフィス出社がよいか」だけでなく、さまざまな観点から社員の現状を点検しなくてはなりません。
- 完全在宅、完全出社、ハイブリッドワークのどれが働きやすいか?
- それぞれの働き方で、集中力や作業効率、モチベーションや帰属意識などに差は生まれているか?
- 現状の働き方で困っている点は?
- 完全在宅、完全出社、ハイブリッドワークのそれぞれに問題点はあるか?
- 週に何日出社しているか?
<想定される質問事項>
希望や満足度を聞くだけでなく、抱えている課題やそれぞれのメリット・デメリットを知ることで、最適な解決策を見つけることができるでしょう。また、「週に3日以上出社している人」と「完全在宅の人」を比較し、それぞれが抱えている課題を見ていくことで、隠れた問題点が見えてくるかもしれません。
質問の回答を見るだけでなく、そこから見えてくる潜在的な課題を明らかにし、最適な制度を整えていきましょう。
ハイブリッドワークスタイルの成功事例
近年、ハイブリッドワークが新しい働き方として注目を集め、多くの先進企業でも積極的に取り入れられています。
この章では、ハイブリッドワークの導入事例と、成功する事例の共通点をご紹介します。
各企業に見るハイブリッドワークの
ソリューション
まずは、ハイブリッドワークを取り入れている有名企業の事例を見ていきましょう。
各社がそれぞれに工夫して、さまざまな取り組みを行っているため、ハイブリッドワークを検討するうえでの参考情報としてお役立てください。
2023年、新型コロナウイルスの流行が徐々に収束していく中で、大手テック企業は大規模なレイオフを行うとともに、フルリモートからハイブリッドワークへの移行を呼びかけました。
そのうちの1社がGoogleです。自由な働き方のイメージのある同社ですが、実は最低週3日の出社をルールとして定め、出社とリモートを両立するポリシーを掲げています。オフィス内にWeb会議用の会議室を新設するなど、コロナ前とは違った働き方に合わせて、オフィスレイアウトも一新されました。
Googleの最高人事責任者であるチッコーニ氏は、「実際に集まって仕事をすることに代わるものはない」と述べています。
彼女によると、週に3日以上オフィスで過ごしている人は、他の社員とのつながりをより強く感じており、チームメイトが同じ場所で仕事をしていると、それがより強くなるとのこと。外資系IT企業には意外にも、対面でのコミュニケーションを重視する文化があるようです。
Microsoft
Microsoftは、ハイブリッドモデルに対応するオフィス環境の実現に率先して取り組む企業です。
日本マイクロソフトの品川本社オフィスは、2022年に「ハイブリッドワークを実践するオフィス」へとリニューアルを行いました。すべてのミーティングルームを、リモートワーカーとの連携に適した「ハイブリッドルーム」に変更。さらに、テクノロジーを活用した自動での議事録作成にも対応しています。
執務室内にも、オフィス内にいない人とも連携を取りやすいように「Phoneブース」を設置しました。グリーンウォールには本物の草木を使用するなど、開放的なデザインにもこだわったオフィスの完成となりました。
同社が従業員に対して行った調査によると、社員の約63%がハイブリッドワークを、35%がフルリモートを理想の働き方だと回答しています。同社の製品を使った「ハイブリッドワーク体験会」を開催するなど、積極的にハイブリッドワークを広めようとしている企業の一つがMicrosoftです。
NTT
NTTグループは、主要グループ会社(NTT東日本・西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTデータなど)を対象に、リモートスタンダード制度を設けています。
リモートスタンダード制度とは、日本中どこからでも、ハイブリッドワークを可能にするための制度です。
従来は、東京に本社があるなら、基本的には関東圏に居住するのが慣例でした。しかし、このNTTグループの制度下では、例えば「福岡に住んでいる人が東京本社に勤める」「新幹線や飛行機での通勤費用は会社負担」といった働き方ができるようになります。
同時に、 通常業務はリモートワークを基本とすることにより、転勤や単身赴任の必要もなくなりました。従業員は、会社に居住地を制限されることなく、自由な場所で働くことができるようになったのです。
- 日本国内であれば居住地は自由
- ハイブリッドワークを前提とし、出社時の交通費や宿泊費は会社負担
- 遠隔地への異動の場合も単身赴任は不要
<リモートスタンダード制度の特徴>
この制度の目的は、ワークインライフ(健康経営)を推進すること。ワークライフバランスを取るのではなく、「ワークはライフの一部である(ワークインライフ)」と考えることで、社員の生活や人生そのものが健康で豊かなものとなるように会社がサポートすることを目指す制度です。
ソフトバンク
ソフトバンクでは、テレワークと出社を併用する「ハイブリッドワーク」を推進しています。
同社が従業員10,026名を対象に行ったアンケートによると、テレワークを実施して多くの従業員が生産性や生活の質が向上したといいます。特に、「通勤時間を別の時間に充てられた」「会議室を確保する手間や移動時間が減った」「業務に集中できるようになった」といった意見が多くみられました。
一方で、従業員同士のコミュニケーションに課題を感じるとの声が見られました。
そこで、フルテレワークではなく、ハイブリッドワークを取り入れることにより、コミュニケーションが取りやすくなったといいます。現在では、従業員の8割以上が月に1回以上はオフィスに出社し、テレワークとオフィスをバランスよく活用しているそうです。
同社は、オフィスへの電話に社外で応答できる「クラウド型PBX」により、在宅型・ハイブリッド型のコールセンターを提案しています。今までは「出社が必須」と考えられていた職種でも、テクノロジーの進歩により、今後は続々とオフィス以外での仕事が可能になっていくかもしれません。
コクヨ
文具やオフィスの家具・内装などを取り扱うコクヨでは、「コクヨ式ハイブリッドワーク」というコンセプトで、自由な働き方を提案しています。
四半期ごとに所属するチーム内ですり合わせを行い、「在宅中心」「ハイブリッドワーク」「オフィスワーク中心」という3種類のワークプレイスポートフォリオから、個々人で働き方を選ぶことができます。
ただし「在宅中心」を選べるのは、原則として子育てや介護が必要といった事情がある方だけ。基本的には、必要な場合はオフィスに出社する前提の仕組みです。
オフィス家具や内装を通じて、新しい働き方を発信するコクヨ。全国にあるコクヨのライブオフィスでは、実際に働く社員の姿を見ることができます。
近年は下北沢にサテライトオフィス「n.5」を開設し、仕事の場だけでなく、自己研鑽や勉強会などにも利用できるスペースを提供しています。家族との利用も可能で、ギャラリー展示や子どもと絵を描くアートワークショップなど、さまざまな目的で利用されています。
ベネッセ
こどもちゃれんじや進研ゼミなどの教育系事業を展開するベネッセも、ハイブリッドワークを実践する企業です。
出社するのか在宅で働くのか、自分の仕事やチームでの考え方に合わせて選ぶことができる「ハイブリッド勤務」前提で各種制度が運用されています。
この新しい働き方に最適なオフィスを整えるべく、2021年に本社オフィスの全面リニューアルを行いました。固定席を廃止しフリーアドレス化するとともに、チームビルディングやコラボレーションのためのスペースを拡充。Web会議用の個別ブースも完備しています。
ベネッセが取り入れているのは、仕事の内容に応じて最適な場所が選べる「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)」の思想です。業務内容に応じて最もよい環境を選べるように、執務室内でも「アイディア出しの場」「1on1向けのペアブース」「立ち仕事もできるハイテーブル」など、さまざまなコンセプトで内装が整えられています。
近年は下北沢にサテライトオフィス「n.さらに、執務室以外にも勉強会などを開催できるシアタースペースや、「茶室」をコンセプトにしたリラックスできるミーティングルーム、ふらっと立ち寄れるカフェフロアなど、濃密な対話や出会いを生むための環境を戦略的に配置しているとのことです。
各企業の事例に見るハイブリッドワーク
導入のポイント
成功しているハイブリッドワークの事例を見ていくと、いくつかのポイントが見えてくるのではないでしょうか。
- 会社が目指す方向を定め、コンセプトを明確化する
- アンケートなどで現状への満足度や課題を把握する
- 制度だけでなくオフィス設備も同時に整える
- ハイブリッドワークの目的を伝える
<ハイブリッドワーク導入のポイント>
多くの企業が、ただ単に「出社とリモートを併用する」だけでなく、「なぜハイブリッドワークを採用するか」を明確に示しています。
生産性を上げるためなのか、社員の生活を優先するためなのか。あるいは、アンケートの結果として、リモートワークだけではカバーできない課題があることがわかったからなど、さまざまな理由や目的が考えられます。
会社として、社員の働き方をどのようにサポートし、どのような意図でハイブリッドワークを採用するのかという「コンセプト」を打ち出すことで、より有意義な仕組みとなるでしょう。
また、働き方を変える以上は、オフィスのあり方も変わらねばなりません。フリーアドレス制の採用や、Web会議に対応したミーティングルームの新設など、オフィス環境もあわせて整えていく必要があるでしょう。
ハイブリッドワークに
関するまとめ
働き方が変わりつつある昨今、オフィスのあり方にも変化が生じています。「完全出社」と「完全在宅」のそれぞれの欠点を補い、バランスよく働くための仕組みが「ハイブリッドワーク」です。
このコラムでは、ハイブリッドワークの概要に始まり、メリットと問題点、各社の成功事例などを詳しくご紹介しました。
ハイブリッドワークは、通勤時間や働く場所についての制限を減らし、従業員の負担を減らすことができる働き方です。リモートワークの課題であった「コミュニケーション不足」や「連携の難しさ」も、必要に応じてオフィスに出社することで改善が期待されています。
そして、従業員へのメリットだけでなく、会社や地域社会に対してのメリットも有するのがハイブリッドワークです。企業はオフィススペースの削減やリソースの有効活用が可能になるとともに、今までは居住地がネックになって雇用できなかった、優秀な人材の採用につなげられるかもしれません。
また、地域社会においても、UJIターンを通じた地域活性化や、交通代替によるCO2の削減、過密交通の緩和といったメリットが期待されているのです。
アフターコロナの時代となり、フルリモートからハイブリッドワークに移行する企業は増えています。これから一層、ハイブリッドワークの働き方は一般的になるかもしれません。このコラムを参考に、上手にハイブリッドワークの仕組みを活用いただくことを願っています。
ハイブリッドワークに
関するよくある質問
ハイブリッドワークにおける「出社日」の決め方は?
週のうち、あるいは月のうちに何日出社するのが望ましいかは、業務内容や働き方によって変わってきます。完全に個々人の判断に任せることもできますし、チームごとにすり合わせを行い、「○曜日は出社する」のように共通の出社日を決めてもよいでしょう。
曜日ごとの出社率のバランスを取るために、「月・水・金」「火・木」のようにシフト制で出社日を変えてもよいでしょう。
育児や介護などで、出社が難しい場合は完全在宅を認めるべきですか?
どのような場合に完全在宅を認めるかは、企業によって異なります。例えば、「育児の場合は子どもが○歳になるまで、介護の場合は合計○年まで」のように期限を定めて、例外的に完全在宅を認めることもできるでしょう。