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【2024年版】
オフィスにおすすめの福利厚生|
サービスをご紹介

作成日:2024.5.7更新日:

福利厚生の拡充は、社員のモチベーションを高め、定着率を向上させるための重要な経営課題です。採用ブランディング力を高め、優秀な人材を雇用し続けるためにも、どのような福利厚生が用意されているかが問われます。

現代の働き方の多様化に伴い、福利厚生サービスも進化しています。特にヘルスケア関連や、育児サポートといった従業員の暮らしを支える福利厚生のニーズが高まっています。福利厚生を上手に取り入れることで、社員の生産性や満足度を向上させる効果が期待できるでしょう。

また、レクリエーションの充実や、健康的な食事の提供など、オフィス内での福利厚生の選択肢は多数存在します。本記事では、オフィスで提供できる福利厚生の種類やメリット、福利厚生にかける費用の目安などを詳しく解説します。

コラムの目次

04 | オフィスの福利厚生は
どんなものがある?

福利厚生とは

福利厚生とは、従業員やその家族の健康や生活を向上させるための取り組みです。

主に、従業員のモチベーションや、企業への帰属意識を高める効果が期待されています。また、社内の人間関係を良好に保っていくという目的で行われる、レクリエーションなども福利厚生にあたります。

会社の従業員

法定福利厚生・法定外福利厚生

福利厚生には、大きく分けて「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」があります。

法定福利厚生は、労働基準法や健康保険法など法律によって義務付けられている雇用保険、健康保険、厚生年金保険、労災保険といった制度です。これらは、企業が必ず実施しなければならない基本的な福利厚生であり、従業員の生活基盤を支える重要な柱です。

一方で、法定外福利厚生は企業が独自に設計・提供するもので、社宅の提供、食事補助、充実したレクリエーション施設の提供、慶弔見舞金の支給などがあります。一般的に「福利厚生」と呼ばれるのは、ほとんどがこの「法定外福利厚生」のことです。

これらは法律には定められていないものの、従業員のモチベーションを高め、生活の質を向上させる上で有効です。法定外福利厚生として代表的なものを以下でご紹介します。

重要マーク重要
  • ・慰安旅行
  • ・住宅手当(家賃補助)
  • ・健康診断の費用補助
  • ・資格取得支援
  • ・図書購入費補助
  • ・会社商品割引(社割)
  • ・ランチや飲み会の費用補助
  • ・財形貯蓄制度
  • ・慶弔見舞金制度

法的外福利厚生(=福利厚生)を導入するメリット

法律で義務付けられてはいない、法定外福利厚生。しかし、多くの企業では法定外福利厚生の制度を整えています。

では、福利厚生にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.生産性・パフォーマンスの向上

従業員の健康状態や生活水準、働きやすさを向上させることにより、個々人のパフォーマンスや社員満足度の向上が期待されます。

例えば、ランチの費用補助を取り入れることで、栄養バランスのよい食事を楽しむことができ、「午後の仕事も集中して頑張れる」ということもあり得るでしょう。また、ヘルスケア水準を上げることで、心身の不調により長く働くことができず、退職してしまうといったケースを減らすことができるかもしれないのです。

さらに、会社の福利厚生の恩恵を受けることで、会社への帰属意識の向上やモチベーションアップにもつながります。「この会社で働けるおかげで、こんないいことがある」といったメリットの実感は、結果として社員の定着率向上や、職場環境の活気へとつながるでしょう。

2.採用力の強化

福利厚生は、リクルーティングにも大きな影響を与えます。

単なる給与の額面だけではなく、働く環境や生活の質を向上させる「福利厚生体系」を重視して、入社する会社を選ぶ方も少なくありません。

企業にとって、優秀な人材をいかに確保するかは非常に重要な課題です。充実した福利厚生は、いまや人材獲得戦略において不可欠な要素ともいえるでしょう。

3.ネットワーキング強化

社員同士のコミュニケーションを活性化し、ネットワーキングを強化するためにも、福利厚生プログラムの拡充は重要です。

例えば、定期的なチームビルディングイベント、忘年会や懇親会、クラブ活動などを奨励する福利厚生は、社員の結束を強化する効果が期待できます。社員同士の交流を促進することは、人材流出や帰属意識の低下といった経営課題の解決にもつながるでしょう。

企業が福利厚生に
使う平均額

経団連が発表した、第64回福利厚生費調査(※)によると、従業員1人の現金給与総額に対して、会社が負担する福利厚生費の平均額は以下のようになります。

<現金給与総額と福利厚生費>

  • ・現金給与総額547,336
  • ・福利厚生費108,517
  • さらに、この福利厚生費は以下のように「法定福利費」と「法定外福利費」に分かれます。

    <法定福利費と法定外福利費>

  • ・法定福利費84,392
  • ・法定外福利費24,125
  • 法定外福利費が、どのような福利厚生に使われているかの内訳は以下のとおりです。

    <法定外福利費の内訳>

  • ・住宅関連11,639
  • ・ライフサポート5,505
  • ・医療・健康3,188
  • ・文化・体育・レクリエーション5,505
  • ・慶弔関係514
  • ・共済会272
  • ・福利厚生代行サービス費309
  • ・その他629
  • 法定福利費とは、健康保険・介護保険、厚生年金保険、雇用保険・労災保険、子ども・子育て拠出金などです。平均で80,000円超と、福利厚生の大半を「法定福利費」が占めています。

    一方で、法律で必須ではない「法定外福利」にも、平均で20,000円超の費用がかけられています。

    最も多いのは住宅関連の補助費用で平均10,000円超。続く「ライフサポート」とは、食堂などの食費負担、購買・ショッピングなどの割引制度、育児やファミリーサポート関連、駐車場の割引や無料貸し出しなどです。

    その他、医療関連やレクリエーション支援の福利厚生を行う企業も多いことが見て取れます。

    (※)参考:第 64 回 福利厚生費調査結果報告

    ペンとメモ

    法定外福利費の給与に対する比率

    給与の平均が約55万円であることを考えると、福利厚生費は給与の約20%が相場です。さらに法定福利費を差し引くと、法定外福利費としては給与の4~5%程度の金額が使われていると考えられます。

    なお、この数値はあくまで平均です。法定外福利は義務ではなく任意の制度なので、一切の法定外福利を設けない会社もあれば、ハイグレードな福利厚生を提供する会社もあるため、会社ごとの振れ幅は大きいといえます。

    給与に対する法定外福利費の
    割合は減少傾向

    同調査によると、1980年代には給与の10%以下だった法定福利費が、2020年代に近づくにつれて15%を超え、徐々に増加しています。背景には、健康保険・介護保険・厚生年金保険などの増加があり、結果として企業が負担する法定福利費も増えています。

    一方で、法定外福利費は1~2%と、わずかではありますが減少の傾向を示しています。法定福利費に押されるかたちで、法定外福利費にかけられる金額が減っているのかもしれません。企業側は、限られた予算の中でどのような福利厚生を提供するのか、選択する必要があるといえます。

    トレンドとしては、住宅補助や購買・ショッピングの割引などは減少傾向にある一方で、 健康診断費や人間ドックに対する補助費といった医療・ヘルスケアや、育児関連の福利厚生は増加しています。少子高齢化や共働きといった社会背景が反映されているといえるでしょう。

    オフィスの福利厚生はどんなものがある?

    では、オフィスの福利厚生には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な福利厚生の制度や、おすすめのサービスをご紹介します。

    考え中

    家賃補助・社宅借り上げ

    代表的な福利厚生の一つが、住宅関連の費用補助です。家賃の一部を支払う、住宅ローンの一部を負担する、社宅を提供する、といった選択肢があります。

    特に都心部に会社がある場合、通勤時間を短縮したくても、家賃がネックになって引っ越しできないという場合があるでしょう。そんなとき、「会社から○○km圏内なら△△円補助」といった制度があれば、日々の家賃負担を抑えて快適に通勤できるようになります。

    家賃補助の相場は

    家賃補助の相場としては、月に1万円から数万円程度を支給する企業が多いです。ただし、地域や企業の規模、業種などによっても、支給金額は変わってきます。

    厚生労働省の調査(※)によると、企業規模別の「住宅手当」の平均支給額は以下のとおりです。

    従業員数 住宅手当(平均)
    1,000人以上 2万1,300円
    300~999人 1万7,000円
    100~299人 1万6,400円
    30~99人 1万4,200円

    企業規模が大きくなるほど、住宅手当の金額も大きくなっています。概ね1~2万円程度が、住宅手当の全国平均に近いといえるでしょう。

    (※)参考:厚生労働省「令和2年就労条件総合調査の概況」

    家賃補助と社宅借り上げの違い

    家賃補助制度では、従業員が入居する賃貸物件の家賃の一部を、企業が負担します。従業員は、好きな物件を選ぶことができます。

    全額負担するのではなく、「○○円まで補助」のように上限が決められていることが多いです。この制度のメリットは、従業員のライフスタイルや家族構成など、多様なニーズに柔軟に応じることができる点です。

    一方で、社宅借上げ制度の場合は、企業が物件を借り上げて従業員に提供します。従業員は社宅の賃料を支払いますが、一般的な賃料の相場に比べると、10~20%程度と圧倒的に割安になります。

    さらに、敷金、礼金、共益費、保証料、前払家賃、引越し費用などの支出も、基本的には会社が負担します。従業員の家賃負担を大きく抑えられる点が魅力的です。

    一方で、社宅の場合は指定の住居に住まうことになり、従業員が自由に物件を選ぶことはできません。一方で、好きな地域に住み、自分好みの物件を楽しみたいといった従業員のニーズには合わない可能性もあります。

    家賃補助と社宅借り上げは、「住宅手当」という分類は同じですが、それぞれに異なるメリットがあります。会社の規模や社風、従業員のニーズに合わせて形態を選ぶとよいでしょう。

    特別休暇

    福利厚生の一部として、「バースデー休暇」「リフレッシュ休暇」「夏季休暇」といった休暇期間が挙げられているのを見たことがあるのではないでしょうか。

    こういった、その会社独自の休暇を「特別休暇」といいます。ワークライフバランスを重視する方にとっては、こういった休暇関連の福利厚生は大きな魅力となります。

    法定休暇との違い

    特別休暇とは、法律で定められた「法定休暇」以外の、その会社独自の休暇のことです。法定休暇には、年次有給休暇や生理休暇、育児休業・介護休業などがあります。

    それ以外の休暇を会社ごとに設け、従業員のリフレッシュのきっかけとしたり、働きやすさを向上させたりするのが「特別休暇」です。

    なお、会社の公休日以外の法定休暇や特別休暇の日数は、人によって取る期間やタイミングが異なるため「年間休日日数」には含まれません。

    バースデー休暇

    バースデー休暇とは、従業員の誕生日を祝うための制度です。例えば、誕生月に1日分の休暇を取れる、といった制度がこれにあたります。

    誕生日に限らず「アニバーサリー休暇」という名称で、結婚記念日や家族の誕生日など、なんらかの記念日を祝うために休暇を取れるという制度もあります。

    有給休暇は残っていても、なんとなく職場の雰囲気が気になり、誕生日や記念日を理由に休暇を取りづらいというケースもあることでしょう。そんなときも、バースデー休暇やアニバーサリー休暇を取得する風土があれば、プライベートの予定と仕事のバランスを取りやすくなるのではないでしょうか。

    リフレッシュ休暇

    「リフレッシュ休暇」とは、長く働いている方に定期的に長期休みを取り入れてもらうための休暇です。例えば、勤続3年の方に5日間の休暇、勤続10年の方に10日間の休暇など、勤続年数に応じて付与されることが多いです。

    何年も同じ職場で働いていると、段々と責任も重くなり、心身の疲労が溜まってくるものです。そんな仕事の疲れを定期的に解消するための休暇が、このリフレッシュ休暇です。

    リフレッシュ休暇により、新鮮な環境で刺激を受け、創造力やインスピレーションのきっかけとなるかもしれません。また、長く働き続けることで休暇を得られるため、社員の定着率向上にもつながるでしょう。

    旅行・レジャーの優待

    旅行やレジャーといった、休日の過ごし方を援助するような福利厚生も人気があります。

    休日の旅行などの楽しみは、リフレッシュ休暇と同様に、日頃の疲れの解消や想像力の刺激につながります。例えば、レジャー施設や宿泊施設の割引特典や、会社が保有する保養所を従業員に提供することができるでしょう。

    以下、旅行やレジャー関連の福利厚生に役立つ、代表的なサービスをご紹介します。

    ベネフィット・ステーション

    ベネフィット・ステーションとは、レジャーやエンタメだけでなく、グルメやショッピング、育児や介護、住宅や車関連など、さまざまな領域で割引や特典が受けられるサービスです。

    従業員が、それぞれのニーズに合わせた割引や特典を利用できるため、さまざまな立場の方が働く大企業などに向いているサービスといえます。

    リロクラブの「福利厚生俱楽部」

    福利厚生倶楽部とは、株式会社リロクラブが運営する、福利厚生アウトソーシングサービスです。

    リロクラブのモットーは“中小企業にも大企業並みの福利厚生を”。コストを抑えて、多種多様な福利厚生を用意できる点がメリットです。

    スポーツジム利用や宿泊・レジャー施設、グルメやリラクゼーションの優待など、多岐にわたるリフレッシュ機会が優待価格で提供されます。また、育児や介護など、ワークライフバランスの支援に役立つサービスも充実しています。

    社員食堂・食事補助

    健康や暮らしと切り離せないのが、毎日の食事。社員食堂や自販機などの設備や、ランチの費用補助などの食事関連の補助も、社員の生活を支える福利厚生として人気があります。

    飲食に関連して、おすすめの福利厚生プログラムをご紹介します。

    オフィスコンビニ、自社専用の自販機

    オフィスコンビニとは、オフィス内にある飲み物や食べ物の無人販売所のことです。冷蔵庫やケースに商品が並び、従業員はお金を払ってお菓子やドリンクを買うことができます。社外のコンビニまで出かける時間が惜しいときも、いつでも気分転換できるというメリットがあります。

    一般的には、オフィスコンビニのサービスを展開している業者に管理を依頼し、ケースの設置、商品の補充、代金の清算などをしてもらいます。

    あるいは、自社専用の自販機を置き、割安の価格でコーヒーなどの飲料を提供することもできるでしょう。社内で飲み物や食べ物を調達できる手軽さや、外で買う場合と比較してのコストの低さが魅力となります。

    ランチ・飲み会の費用補助

    社員同士でランチや飲み会を行う場合に、その費用の一部を補助することもできるでしょう。

    例えば、ランチは1人1,000円まで、飲み会は1人5,000円までなど、場合に応じて会社が費用を負担することで、社員同士のコミュニケーション促進につながります。業務以外にも交流の場をもつことで、従業員のモチベーション向上や離職率低減、ストレス緩和などの効果が期待できます。

    食事代の半分を会社が負担
    「チケットレストラン」

    チケットレストランは、食事に関する福利厚生で日本一導入されているサービスとされています。

    全国25万店舗の大手コンビニやチェーン店で利用でき、食事代の半分を会社が負担する仕組みです。対象となるのは、勤務時間中に飲食するための食べ物・飲み物の購入。食事代だけでなく、お菓子、パン、デザートやコーヒーなど、就業時間内に飲食するもの(アルコールを除く)はなんでも対象になります。

    専用の電子食事カードにチャージする仕組みで、1円単位で支払いができます。レシートなどを都度会社で確認する必要がないので、経理の面でもメリットの大きいサービスです。

    1食100円で食べられるお惣菜
    「オフィスおかん」

    「オフィスおかん」とは、置き型の社食サービスです。

    コンビニ弁当やカップ麺など、栄養の面で懸念のあるランチを選ぶ方も少なくありません。その理由には、「ゆっくりレストランでランチする時間がない」「毎日の食費を抑えたい」といったものが考えられます。

    しかし、食事が健康状態や仕事のパフォーマンスにもたらす影響は計り知れません。コストを抑えて栄養豊かな食事を提供したいなら、この「オフィスおかん」のサービスがおすすめです。

    1食100円というリーズナブルな価格で、毎月、職場に美味しいお惣菜が届きます。30日以上保管可能な冷蔵のお惣菜を冷蔵庫や自動販売機に設置することで、従業員はいつでも、レンジで温めて楽しむことができます。

    お惣菜は管理栄養士が監修しており、バランスのよい栄養構成が魅力です。朝ごはん代わりに、ランチに、残業前の腹ごしらえに……など、さまざまな場面で、忙しい毎日を送る社員の健康維持に貢献します。

    企業側コスト0円!手軽にお菓子ブレイク
    「オフィスグリコ」

    「オフィスグリコ」は、会社側の負担0円で、社員が気軽にお菓子でリフレッシュできる環境を提供するサービスです。

    職場内に設置したオフィスグリコの棚に、ポッキーやビスコなどのグリコ製品が並びます。冷蔵庫・冷凍庫を設置した場合は、グリコの飲料やアイスなども取り扱い可能です。

    企業側には設置コストや運営コストが発生せず、オフィスグリコ側が管理・補充を担います。企業側の負担を抑えて、気軽に取り入れられる福利厚生といえるでしょう。

    資格取得・教育支援

    資格取得の費用補助など、スキルアップを支援する福利厚生も人気があります。従業員のキャリアアップにつながるほか、組織の競争力を高めるきっかけにもなるでしょう。

    資格取得や講座の受講、書籍購入などの費用を補助することは、従業員の学びやスキルアップの追い風となります。

    資格手当の支払い

    従業員が業務に必要な資格を取得した場合に、「資格手当」という報酬体系を用意してもよいでしょう。

    資格手当には、大きく分けて2種類があります。一つは、一定の資格を取得すると毎月の給料がアップする仕組みです。資格取得による給料アップは、直接的に資格が活かされるような職種に多いです。

    あるいは、資格取得の報酬として、合格一時金を支給することもできるでしょう。お祝い金や奨励金と呼ばれることもあります。

    なお、資格取得やスキルアップを促進する福利厚生は、必ずしも報酬の支給だけではありません。例えば、英会話教室などのスクールの受講料を負担し、「○回以上通えば授業料半額免除」のような仕組みも学びのきっかけとなるでしょう。

    健康支援

    人生100年時代といわれるほど寿命が延びつつある現代、健康寿命の延伸や、健康に対する投資が注目を集めています。

    一方で、メンタルや体調の不良により、休職や退職を余儀なくされるなど、健康状態が理由で仕事に支障が生じている方も決して少なくはありません。長く健康に働ける環境づくりに対しての、働く人や企業の意識が高まっているといえます。

    従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することを「健康経営」といいます。健康経営の一環として、健康・ヘルスケアに関する福利厚生を取り入れることもできるでしょう。

    法人契約が可能なジムを取り入れる

    健康管理のために取り入れられる福利厚生の一つが、フィットネスジムの法人契約です。

    フィットネスジムで法人契約すると、従業員は割安な料金でジムを利用することができます。また、鍵付きロッカーやウェアのレンタルなど、オプションまで割引価格で利用できる場合もあります。

    法人契約があることで、従業員がジムに通うきっかけを作ることができます。定期的な運動を促進し、健康維持や社員満足度の向上といった効果が期待できるでしょう。

    ストレスの解消や生活習慣病の予防といった心身の健康維持は、急な体調不良や離職率の減少にもつながり、企業にとっても大きなメリットとなります。

    人間ドックの費用補助

    通常、会社は法定の健康診断の費用を負担します。こちらは、法律で義務付けられた「法定福利厚生」にあたります。

    法定福利厚生以外の、健康診断のオプション検査や、人間ドックなどの希望者に検査料の一部を補助することは、企業の健康経営につながる福利厚生です。

    人間ドックとは、定期健康診断より多くの項目で検査を行い、健康診断だけではわからない病気の早期発見をめざす検査のことです。

    人間ドックは法定福利厚生の範囲外のため、希望する方は自費で行う必要があります。検査内容によって5万円~10万円以上と、個人で負担するには高額な検査となります。

    そのため、コストが気になってオプション検査や人間ドックから足が遠のいている……という方も少なくありません。企業側が法定検診のオプション検査や、人間ドックの費用を補助することで、より質の高い健康管理のきっかけとなるでしょう。

    子育てサポート

    共働きの家庭が増えている中で、子育て関連の福利厚生のニーズも高まっています。

    ベビーシッターや保育所の利用補助、出産祝い金の支給、時短勤務制度など、子育てをしながら働くパパ・ママをサポートする仕組みを導入してみてはいかがでしょうか。

    子育てワーカーをサポート
    「Relo育児コンシェルジュ」

    「Relo育児コンシェルジュ」とは、株式会社リロクラブが運営する、トータルサポートサービスです。

    公的制度・企業の育児制度やお住まいの自治体の乳児検診・認可保育園情報を紹介する「育児応援サイト」、育児のプロに悩みを相談できる「育児相談窓口」、保育園選定・入園手続きなどをサポートする「保活コンシェルジュ」など、育児にまつわるさまざまな困りごとを解決します。

    保育園が見つからなくて仕事に戻れない、
    を解決!「事業所内保育所」

    保育園の不足が原因で、仕事に復帰できないという方もいます。そんな課題の解決策として、事業所の中に保育所を設置する「事業所内保育」という方法があります。

    認可保育所、認可外保育所、企業主導型保育所という3つの形態があり、それぞれの要件を満たす必要があります。

    育児と仕事の両立支援になるほか、子育てを支援する企業という採用ブランディングにもつながります。

    働くパパ・ママにとっては、仕事が終わったらすぐに子どもを迎えに行けるという点で大きな安心感が得られます。また、親同士・子供同士の友人関係が生まれるなど、社員間コミュニケーションの活性化も期待できるでしょう。

    一方で、設置コストや管理コストがかかるため、企業側にとってはややハードルの高い福利厚生となります。会社規模が大きく、子育て世代が多いような会社なら、導入コストを超えるメリットが得られるのではないでしょうか。

    福利厚生を導入したら告知が重要!

    福利厚生を導入するには、必ず時間や費用などのコストがかかっているはずです。

    せっかく福利厚生の制度を導入しても、社員に十分に浸透していなければ宝の持ち腐れです。さまざまな種類の福利厚生がある場合、「そんな制度があるなんて知らなかった」ということもあり得るのです。

    新しく福利厚生の制度を作る場合は、社内メール、チャットツール、社内報、ポータルサイトなど、複数の媒体で配信することをおすすめします。

    忙しい日々の中で、メールの通知などは意外と読み飛ばしていることもあるものです。いくつかの手段で配信し、従業員の目に留まるようにしましょう。

    また、アクセスしやすい場所にまとめ資料やFAQを用意しておけば、いざ利用したいタイミングが来たときに、従業員がすぐに確認することができます。

    女性が壁に手をつけている

    形骸化しない仕組み作り

    福利厚生の制度が走り出したら、定期的にインタビューやアンケートを実施し、社員満足度や利用状況を見てみましょう。結果に応じて、さらなる制度の利用促進や、新たな仕組みの導入などが必要になります。

    また、定期的に会社の福利厚生の利用状況を発信するのもよいでしょう。「ランチ代補助の利用状況」「住宅補助の利用者の割合」など、社員がどのように福利厚生を利用しているかを伝えることで、さらなる活用の促進につながります。こういった情報発信には、社内報や社員総会などの場を利用することができます。

    最初に制度の目的を共有するのも大切です。「なぜ会社はその制度を用意したのか?」という理由をしっかりと浸透させることで、より適切な制度の利用につながるでしょう。

    例えば、リフレッシュ休暇などの休暇制度を用意していても「休暇とはいえ、本当に休んでよいのだろうか」と感じ、結局使わないままになるということがあり得るのです。

    そこで、会社としても従業員にゆっくりと休むことで心身の健康を整えてほしいことや、健康経営の方針を周知することで、安心して制度を利用することができるでしょう。チーム・部署ごとに、休暇を取りやすくなるようにリーダーが率先して制度を利用したり、定例会などでこまめに周知したりするのもよいでしょう。

    お金をかけるだけが福利厚生ではない

    企業側にとって、どのような福利厚生を用意するかは重要です。法定福利費が増加する中で、法定外福利にそこまで予算をかけられないと思うかもしれません。

    しかし、福利厚生では必ずしも、かけたお金の分だけ成果が上がるとは限りません。サービスによっては、企業側の経済的負担を抑えて取り入れられる福利厚生もあります。また、多大な資金をかけたにもかかわらず、利益を享受できる方が少なく、大きなメリットにつながらないということもあり得るでしょう。

    ですから、企業の体質や従業員のニーズを分析し、喜ばれる福利厚生を効果的に取り入れることが大切です。重要なのは、投じる資金の大きさではなく、社員が価値を感じられる取り組みを実施し、彼らの働きがいのある環境を構築することです。結果として、社員の定着率やエンゲージメントを向上させるとともに、採用ブランディングとなって優秀な志望者を生み出すことができれば、新規採用のコストの低減や利益の最大化など、企業側にも大きなメリットをもたらすことになるでしょう。

    お金

    「オフィスの福利厚生」に
    関するまとめ

    福利厚生の充実は、従業員のモチベーション向上や社員満足度の向上に寄与するとともに、採用競争力の強化にもつながる重要な要素です。

    福利厚生の種類は、大きく分けて「法定福利」と「法定外福利」の2種類です。法定外福利は、法律で義務付けられていない、会社独自の福利厚生制度。住宅手当、ランチ代補助、資格取得手当、リフレッシュ休暇など、さまざまな選択肢があります。この記事で紹介した手法を参考に、自社の状況に合わせて最適な福利厚生の制度を考案してください。

    「オフィスの福利厚生」に
    関するよくある質問

    クエスチョンマーク社員旅行は福利厚生の一環ですか?

    アンサーマーク 業務上必要な出張ではなく、コミュニケーション促進や社員満足度向上を目的とした旅行の場合は、福利厚生の一環としてみなされます。ただし、会計上「福利厚生費」としてみなされるには、以下の条件を満たす必要があります。 旅行期間:4泊5日以内(機内泊は含まない) 参加人数:アルバイト・パートを含む社員全体の50%以上 金額:従業員に供与する「経済的利益」の額が少額(1人あたり10万円以下が目安)

    クエスチョンマーク個人事業主や一人社長でも、ランチ代や旅費を福利厚生費として計上することはできますか?

    アンサーマーク福利厚生は、あくまで従業員のための制度です。個人事業主や一人社長の場合は、従業員がいないため、福利厚生として取り扱うことはできません。